『うる星やつら 恋のサバイバルバースデー』

『うる星やつら 恋のサバイバルバースデー』

『うる星やつら 恋のサバイバルバースデー』は1987年に、
PC88等各種PC用として、マイクロキャビンから発売されました。

キャラゲーとしてのADVの中では、極めて良く出来た作品でした。

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<概要>


「うる星やつら」をゲーム化したものになりますが、
ストーリーはゲームオリジナルとなります。

あたるが面堂了子の使いの黒子から誕生パーティーの招待状を受け取ったところから、
物語は始まります。
パーティーでは余興としてゲームが行われ、
了子のもとに早く辿り着き優勝したものには、
了子からのキスとステディになる権利が与えられることに。
プレイヤーはあたるとなり、優勝することが目的となります。

<ストーリー>


スタートして皆で一斉に了子のもとを目指すことになるのですが、
面堂邸は迷路のように広大かつ複雑であり、
また各種トラップも待ち構えています。
それらトラップを潜り抜け、いち早くゴールを目指すわけですね。

「うる星やつら」らしいノリが上手く再現されていますし、
お馴染みのキャラも皆登場しますので、
ファンであればあるほど楽しめる作品と言えるでしょう。

特徴的なのは、ゴールを目指して進んでいるのは、
プレイヤーだけではなく他にもいるということです。
大勢の他のメンバーも各々がゴールを目指していますので、
途中で鉢合わせすることもしばしばあります。

他のメンバーもいるため、最短距離でゴールに向かえば良いというものではなく、
優勝するためにはお邪魔なキャラたちを排除しなければなりません。
もちろんプレイヤーの行動如何でイベントも変化しますし、
あの「うる星やつら」のノリそのままに、
ストーリー展開と攻略が不可分に結びついた優れた作品でした。
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<ゲームデザイン>


ジャンルはコマンド選択式のADV。
コマンドの数は結構多いのですが、必要な行動だけで済みますので、
総当り的な煩わしさはありません。
プレイヤーは純粋に迷路を抜けることに専念できます。

基本的には移動してアイテムを得たり、イベントをこなしながら進行します。
ゴールを目指すという大きな意味でのストーリーは1本ですが、
行動によりプレイヤーが体験するイベントは異なってきますので、
マルチストーリーと言うことができるのでしょう。
また途中における他キャラとのフラグの立て方によりENDも変化しますので、
マルチエンディングでもありました。

何をすべきか分からない又は同じことの繰り返しという、
ADVにありがちな弱点が少ない一方で、
やり応えのある高い難易度と繰り返しプレイに対応する飽きさせない作りで、
コマンド選択式の中でも非常に完成度が高かったと思いますね。
というか、こういうのをやっていればコマンド選択式に対し、
総当りなんて表現は出てこないはずですよ。

<グラフィック>


マイクロキャビンは何と言っても、
あの『ミステリーハウス』を製作したところです。
その後も『は~りぃふぉっくす』らの名作・良作を作り続け、
ADVに関しては老舗中の老舗ですからね。
グラフィック部分も流石の作りで原作に近い出来でしたし、
87年でも屈指の出来でしょう。
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<総合>


アニメや漫画のキャラを用いた作品にはハズレが多く、
悪い印象を持っていた人も多いと思います。
私自身も全体としては悪い印象の方が大きいです。
でも、全てがキャラ人気に頼っただけの手抜きなのではなく、
中には非常に優れた作品もあったのです。

マイクロキャビンは初期の頃はオリジナルADVも多かったのですが、
次第にアニメ漫画のキャラを用いたゲームを多数作るようになり、
その方面でも高い評価を得ることになります。
その中でも本作は特に優れた出来であり、
ファンはもちろんのこと、ファンでなくてもかなり楽しめる内容になっています。

まぁ、アニメや漫画は、どうしても自分の好きな作品ってありますからね。
私の場合は『きまぐれオレンジロード』が特に大好きでした。
オレンジロードもマイクロキャビンがゲーム化していますが、
残念ながら本作ほどの完成度ではありませんでした。
なまじ好きな漫画やアニメがあると、
何で自分の好きな作品をもっと作りこんでくれなかったのかとか、
いろいろ考えたりしちゃうのですけどね。
『うる星やつら』は近年になってあれは凄かったよなと思い、
今では非常に高く評価しているのですが、
当時はそれほど好きでもなかったことから、何か複雑な気持ちでもありましたね。
『うる星やつら』は何度かゲーム化されているのですが、
成功率はキャラゲーの中でも特に高かったのではないでしょうか。
原作の持つの魅力の再現率の高さだけでなく、
1つのADVとしてシステム的に注目すべき点が複数ありますから。
だから原作ファンでなくとも、一つのADVとして見所の多い作品が幾つもあったのです。
当然ながらファンなら更に楽しめるわけですから、羨ましい限りですよね。

何だか嫉妬のようなものも混ざってしまいましたが、
嫉妬したくなるくらいにキャラゲーとしては理想的な優れた作品でした。

ランク:A(名作)

うる星やつら 恋のサバイバルバースデー

関連するタグ PC88 /ADV /コマンド選択式 /


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