『こ~こはど~この箱庭じゃ?』

『こ~こはど~この箱庭じゃ?』

『こ~こはど~この箱庭じゃ?』というサイトがあります。

何とも説明しにくいのですが、百聞は一見にしかずです。
知らなかったよという人は、30分で構わないので時間を空けて訪れてみてください。

リンクはこちら→ こ~こはど~この箱庭じゃ?

<感想>


サイトと言いつつ、このブログでタイトルに『』を付けて紹介していますので、
常連さんなら必然的にこれはゲームなんだなって思うでしょうし、
その時点で少しネタバレっぽくなってしまうのでしょうけどね。
でも、紹介しないと話が進まないし、
「検索してはいけない語句」という形で紹介するのがベターなのかもしれませんが、
まぁ発表から既に10年近くが経っていますので、構わないでしょう。
とりあえず時間はかからないはずですし、ADV好きなら決して損はしませんので、
知らない人はまず自身で感じてみてください。


さて、私の普段のランクというものは、元を取れれば佳作(C)となり、
それ以上に満足できれば良作(B)以上になり、
元を取れなかったと思ったら凡作(D)以下になります。
元というのは当然価格ですので、価格がないものには基準が妥当しません。
従ってフリーゲームには別基準を立てなければならないため、
今まで全く扱ってきませんでした。

まぁ大抵のフリーのADVはシナリオ面で好き嫌いはあるにしろ、
構造面ではあえて語るまでもないのですが、
たまに規格外の作品もあるわけでして。
例えば推理ゲー好きなら知らない人はいないくらいに有名な、
『刑事神南さつき』シリーズ。
これは2作目はシェアウェアでしたが(現在はフリーとして公開されています)、
1作目はフリーだったんですよね。
このシリーズにはKIMシステムというものがあり、
推理ゲームの可能性を切り開いた作品でもありました。
2作目はシェアだったということで後日扱うかもしれませんが、
1作目だけだったら画期的であるにもかかわらず、
扱う機会をずっと逃したままだったと思います。

本作もまた、そんな規格外の画期的な作品の1つです。
まぁフリーゲームは普段の基準が当てはまらないというだけで、
元々私はMYST系とかも大好きですからね。
MYSTはハイパーテキストとハイパーカードで作られており、
前身たるマンホールなんかは、
後のネットサーフィンに近い楽しみ方を提供した作品でした。
なので、いわゆるフラッシュゲーの類も好きなのですよ。

ましてや、私の場合は物語をその媒体で表現することが相応しいかも、
結構重視しています。
本作の場合、この作品、この物語を最も効果的に楽しませるには、
フリーでネット上でという方法しかないのでしょう。
まさにこの手段でしか表現できない作品なのだと思います。
時期も考慮すれば、本当にベストなタイミングで生まれた作品なのでしょう。
今と異なり当時はフリーゲームも結構チェックしていたので、
本作を知ったのは2003年末くらいだったかな。
或いは2004年に入っていたかもしれないけれど、
何れにしても今から10年近く前の話になります。
その時分には既に、
もう物語で心底驚かされることはないだろうと思っていました。
それだけに、この作品には驚かされたものです。
まぁ完全にアイデア商品なので、
他が真似して乱発されても楽しめない類でしょうけどね。
フリーゆえにランクは表示しませんが、
ADVとしては文句なしに傑作でしょう。

何ていうか、ADVはゼロ年代にはノベルゲーばかりになるのですが、
その中でもオタク層に好まれやすい分野というものがあります。
中には自分もその一員として楽しんでいたものもありますが、
少し距離を置いてしまうものもあるわけでして。
メタ系の作品なんかがそうで、あの当時だったと思うのだけれど、
これからはメタ系の時代だみたいな発言を見ると、
何だかな~と思ったものです。
古くは『同級生』もメタ的な視点云々と言われたときには、
呆れ返ったものですし。
いや、元々のADVであるコマンド入力式の頃から、
ADVにおける主人公とプレイヤーの関係は曖昧なものですし、
こちらに語りかけるようなものまでメタ的と言うならば、
それはADVには当たり前な話なんですよね。
むしろそのメタ的構造こそがADVとも言えたわけで、
逆にノベルが増えるにつれ減っていったものでしょう。
だからメタ系の作品がまた増えても、決して斬新とは思えないのですよ。

それとノベルゲーとかに用いられるメタ系の場合、
キャラを介在させ1クッション置かれてしまうケースが多いです。
そのために得られる感動も減ってしまうのです。
私からすれば登場人物に語らせるようなメタ構造は2流以下のやることであり、
ゲームという媒体であるならば、クッションをおかずに、
もっとダイレクトにプレイヤーの存在を感じさせることも可能だと思うのです。
本作はそういう意味でも非常に秀逸だったのであり、
傍観者であるはずの私自身がすっかり取り込まれてしまった、
そして私の考えを証明した優れた作品でもあったのです。

まぁ考え方は人それぞれなので、別に他人に強いる気はないですけどね。
テキストによるシナリオが良ければそれで良しという人は多数いますし、
私みたいなタイプは昔は結構いたのだけれど、
ほとんどが現状を嘆いて去ってしまいましたので、今は少数だと思います。
でも、文章や映像を見て追いかけるだけが物語を紡ぐ手段ではないのだと、
MYSTや同級生のような構造に魅力を感じる人は少なからずいると思うわけで、
そういう人であるならば理解してもらえるのではないでしょうか。

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