『イエローレモン』

『イエローレモン』

『イエローレモン』は1985年にPC88用として、
PSK(パソコンショップ高知)から発売されました。

好感度が画面上に表示された点が特徴的な作品でした。

yelemon.jpg

<感想>


PSKというのは、パソコンショップ高知のことであり、
世の中にはロリ好きが多いのか古い作品の話題ではよく出てきます。
82年から主にロリ系の作品を多く世に出していたため、
エロゲにおけるロリの普及に大きく貢献しました。

・・・が、ちょっと最近危惧する面もありまして、
それを先に書いておきます。
80年代前半はエロゲの絶対数が少ないですし、
その中でPSKがロリゲーを何本も出すわけですから、
当然市場で占める割合も多くなりますね。
発売タイトル数におけるロリゲーの割合が多いことから、
それを流行していたと表現しても間違いではないのでしょう。
私もそういう認識でつい、
80年代はロリのCGを見る作品が多いと書いたこともあるかもしれません。

ただね、そういう風に言うと、そうだっけと首を傾げる人もいました。
それはね、頭に浮かべている時期が違っているのですよ。
だからその人の認識は決して間違っていない。

今だってここ10年の間に流行は様々に変化しているでしょ。
それは今プレイしている人自身が、一番分かっているはず。
ループであれ、鬱であれ、燃え(厨二)であれ、変遷してきているのです。
「~年代」って簡単に言うけれど、10年って結構長いですよ。
同じものが流行し続けるって、そうそうあるもんじゃない。

80年代前半は確かに全タイトル数に占めるロリゲー率は高かったです。
でも、その比率が高いと言えたのは、
せいぜい本作の発売された85年くらいまでなのかなと。
もちろんその後もPSKはロリゲーを出していますが、
全体に占める比率はどんどん下がっていきます。
そしてPSK以外のブランドはロリとは異なる路線を選んでいます。
この辺は85年に『天使たちの午後』もありますから、
その影響でロリから脱却した美少女路線の時代とも言えるかもしれませんが。

だから86年頃から後を念頭に置くと、
ロリのCGを見る作品が多かったという認識にはならないのです。
上記の人は後半を念頭に置いていたのでしょう。

80年代はロリゲーが流行ってと記載されたものはしばしば見かけるのですが、
分かっている人は80年代前半にはそういう時期もあったねで済むでしょう。
しかし全く知らない人が見た場合、
80年代の作品はどれもロリのCGを見ることが主目的で、
ついでに野球拳もどきのゲーム性があってCGがご褒美なんだと、
どうも本気でそう思ってそうな人が多いように思うわけでして。
そういうのは、繰り返しになりますが、
確かに80年代前半はあったのだけれど、
後半は既にその段階から脱却しているのです。
全く知らない人でも注意力のある人は気付くのでしょうが、
80年代はミニゲームのご褒美にロリのCGという作品ばかり、
みたいな表現を何度も見ると、
勘違いしている人の方が多いように感じられて。
何かね、80年代はロリゲーが~って表現を見るたびにうんざりしてきます。
80年代半ばまでと後半は違うのだと、
私もうっかり80年代はと略して書いてしまいそうになりますが、
少しこれからは気を付けて書かなければならないのかなと思ってしまいます。

それにね、そもそもまだ作品の絶対数が少ない時点で、
たまたまPSKがそっち方面で作品を出していたってだけでしょ。
2社かそこらが出しただけで、
それを当時のユーザーの求めているものと結びつけて語って良いのか、
エロゲ以外のアダルト分野ではロリ系がブームになった側面はあるのですが、
そのロリ文化と安易に結びつけて考えて良いのかは、
ちょっと疑問が残るんですよね。
今はオタク文化の動向とエロゲの関連性は強いのですが、
80年代なんてPCを持っていないオタクの方が圧倒的に多いわけでして。
ちょっと今と同じ視点で語ってしまうのは危険なのかなと思いますけどね。

余談の方が長くなってしまいますが、ここから肝心の中身です。
85年のPSKの作品ということもあり、
この作品に関しては紛れもなくロリゲーです。
小学6年や中学3年の女の子が登場し、会話することになります。
会話とは書いておきますが、基本的には質問をされて、
それに答えることで進むことが多いです。
だから人によっては会話ゲーというよりクイズゲーの認識の方が強いかも。
因みに会話の方法はコマンド入力式です。
そして会話が進展すれば、ご褒美のCGが見られるわけですね。
単純な構造ゆえに、
同時期の会話ゲーである『EMMY』のようなのを期待すると、
ちょっと物足りないかもしれません。

作品における特徴としましては、好感度が表示されます。
今でも好感度を蓄積することで先に進めるのは、エロゲの基本だと思います。
今はあまり好感度が可視化されているものは少ないのですが、
本作では画面上に数字として見えるようにしているわけですね。
機能は一緒だけど表示方法が異なるのが今との違い。
逆に当時の他作品と比べると、
80年代のADVは制約を課すために減点法のADVが多かったので、
こういう加算されていくのは比較的珍しいのかなと。
まぁだからと言って面白さに違いが生じるものでもありませんが、
単純に珍しいかなと思っただけです。

ADVなんて何かしらフラグを立てなければ先に進めないものなので、
広義で考えるならば好感度表示に特段の意味はないのかもしれません。
しかしキャラの持つ好感度という表現に特別の価値を見出すのであれば、
資料的価値のある作品かもしれませんね。

<総合>


まぁ当時の基準でもそれほど面白いとは思えない作品ですが、
資料的価値も含めて佳作としておきます。
作品の話より別の話が長くなってしまいましたが、
ちょっと気になる部分があったためにそちらが長くなってしまいました。

ランク:C(佳作)

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