螺旋回廊

螺旋回廊

『螺旋回廊』は2000年にWIN用として、
rufから発売されました。

この年の鬼畜系を代表する作品として有名な作品でしたね。

rug034.jpg

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・佐伯祐司は、大学で助教授として教鞭を振るっている。
最近、教え子の一人、水代葵の強い勧めでパソコンを買ったものの
うまく使いこなせず、ことにインターネットに関しては素人同然だ。
ある日、教えてもらった葵のHPを見ようとインターネットに接続すると、
たどり着いたのはEDENと名乗るHPだった。
そこは、女性を拉致監禁、強姦をなんとも思わない、
そしてなんの罪悪感もない者達の『楽園』だったのである。
そして、彼らはユカリと名乗る者の依頼によって、
恐ろしい『遊び』を始めようとしていた…。

顔も名前も知らない相手とのコミュニケーション。
一方的に垂流される情報。ネット上で、当たり前の様に見られる、
そんな奇妙な人間関係。
もしも、そんなネット上に、あなたや、あなたの身近な女性達の情報が、
他人の手によって公開されていたら、あなたはどう感じますか?
そして、さらに姿の分からない凌辱者達の脅威が、
大切な人達の背後に忍び寄っているとしたら……。

<感想>


ゲームにおける物語のジャンルとして、いわゆる「鬼畜系」があります。
鬼畜系の代表作を何本か挙げろと言われた場合、
多くの人がこのソフトの名前を挙げるのではないでしょうか。

いや、さすがに10年も経つので知らない人も増えてるだろうけれど、
鬼畜ゲームが脚光を浴びだした2000年頃では、
たぶん一番知名度があったかと思います。
ジャンルを代表する1本として有名なので、
鬼畜系が好きな人や或いはこれから手を出す人にとっても、
プレイ後結果的に褒めるにしろ貶すにしろ、
おそらくはずすことの出来ない1本なのでしょう。

しかし、世間一般の評価はそれはそれで良いとしても、
個人的にこれが名作かと問われると、
少し首を傾げたくもなるんですよね。

というのも、展開というか雰囲気というかが、
こちらに安易に伝わっちゃうのですよ。
ゲームを購入するとき、当然裏パッケージも見るはずです。
鬼畜系なので、そこに掲載されているCGだけで、
引く人は引くかと思います。
逆に私のようにこれは期待できるかもと購入する人もいるでしょうが、
その際のこんな感じかなというイメージそのまんまなんですよね。
意外性がないというか、予想の範囲内で全てが進行していくんです。
だから、良くは出来ているのかもしれませんが、
イマイチ熱中しきれなかったんですよね。

本作はネット社会に潜む闇の部分や怖さをテーマにしており、
鬼畜は鬼畜でも精神的怖さや痛さを追求した方が効果的なのでしょう。
しかしライターが、おそらく健全な精神の持ち主なのでしょうね。
まぁそれは人としては良いことなのですが、
作品としては常人が背伸びして書いたようで物足りませんでした。

CGに肉体的な鬼畜描写があるので、
それで誤魔化された感じなんですよね。
そのCGにしても予想の範疇でおさまってしまいますし。

また、鬼畜系というと、ついエロさもあるように思ってしまいますが、
鬼畜ゲーと抜きゲーって基本的に方向性が違うんですよ。
本作は確かに鬼畜ゲーではあるけれど、
決してエロさの濃いゲームではありません。
エロさを期待して購入してしまうと、
期待はずれに終わる可能性も大きいかと思います。

それでも、ここまでなら良作相当の内容はあるのでしょう。
今ではすっかり身近で当り前な存在になったネットも、
本作発売時にはまだアングラっぽさや怖さも漂わせており、
その点をアダルトゲームの題材にしたことは良かったと思いますし。

むしろもう一つの問題点の方が、私には大きかったのです。
多くのアダルトゲームの主人公が高校生なのに対して、
本作の主人公は大学の助教授という設定です。
つまり、大人であり社会人なんです。
主人公が何か行動するとして、時にはおかしな行動もあるでしょう。
とはいえ、それが高校生のとった行動ならば、
未成年の頃の青臭い行動って考えることもできます。
自分が高校生の頃を思い出してみると、
ほんとに大したことは出来ないと思いますからね。
ただ、これが社会人となると話は別です。
同じ場面に境遇したとしても、高校生と社会人が同じ行動をとったり、
同じような思考に陥っては駄目だと思うのです。
社会人なら社会人としてそれなりに経験を積んでいるはずですからね。
その微妙な違いを上手く表現できて初めて、
リアリティも生まれてくるんだと思います。

本作の場合でも、仮に主人公が高校生だったなば、
私はおそらく賛辞を送っていたでしょう。
しかし、本作の主人公は大学の助教授なんです。
私には、彼の行動があまりにも稚拙に思えました。
確かに今と違ってまだネットが普及しきってはいない時代で、
その分は差し引いて考える必要はあるでしょう。
(余談ですが、その意味で本作はこの時代を知らないと理解し難い作品で、
ネットが当たり前の世代には、
良さが伝わりにくいのではないかと思います。)
でもそれを考慮したとしても、
やはりどうにもその部分が引っかかってしまったんです。
それ故、リアリティを感じられず、
ストーリーそのものが滑稽に見えてしまいました。
この手の鬼畜さや怖さを扱ったゲームで物語が滑稽に思えてしまったら、
もうその時点で終わっているんですよね。

これはプレイをした年代にもよるかもしれませんね。
一応アダルトゲームである以上、18歳以上でなければプレイできません。
となると、大学生に相当する年齢以上なのが通常でしょう。
もっとも、当然ではありますが、
大学に入ったからといって急に変わるわけではありません。
仮に私が大学1年とかの頃にプレイしていたならば、
おそらく何の違和感も感じずに絶賛していたでしょう。
その頃は、まだ感覚的には高校生の延長でしたからね。
ただ、年を経るにつれ違和感が大きくなるんです。
そして、私は違和感を感じてしまった。
なので、どうしてもその部分を看過できないんですよね。
古い作品を美化する思い出補正という言葉がありますが、
この手の作品はむしろ逆ですね。
年がたつごとに、評価が低くなっていく類の作品だと思います。

<総合>


まぁ、鬼畜系って近年は抜きゲーばかりで、
ストーリーでも楽しめるものって、ほとんどなくなりました。
本作のように鬼畜系でストーリーもそれなりに楽しめて、
なおかつCGもちゃんとあるのって結構少ないですからね。
最近のはもっとストーリーが弱くなっていってますし、
そういうのを求めるならこの当時の方が良いのがあったりもします。
そう考えると、本作は普通に楽しめる貴重な1本ではあるのでしょう。
あくまでも、期待しすぎるなってことですね。
なのでこの手が好きなら、冒頭の話に戻ってしまいますが、
やっぱり試す価値のある1本とは言えるのでしょう。

ランク:C(佳作)

螺旋回廊 復刻版 (1-2パック)

ダウンロード版
螺旋回廊 dl

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


Making*Lovers       アオイトリ   夜巡る、ボクらの迷子教室
カテゴリ「2000」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/164-b80b4220
| ホームへ戻る |