あの、素晴らしい をもう一度

あの、素晴らしい をもう一度

『あの、素晴らしい をもう一度』は1999年にX68000用として、
満開製作所から発売されました。

制作は後の自転車創業になります。

ゲームジャンル:ノベル系ADV
ano02.jpg

<感想>


あの名曲に似た名前のがあるなぁ?と思いつつ良く見てみたら、
あろうことかX68000専用…一体何の冗談かとw

何でも、市販のX68000用ソフトでは最後なのだそうです。
99年にもなってよく出す気になったものだと、
不思議で仕方ないソフトでした。
店頭でずっと気にはなっていたのですが、
もうこの頃には本体を処分してしまっていましたからね。
これは諦めるしかないかと思っていたら、
2002年にWindows移植版が出て無事遊べるようになったわけで、
たぶんそんな人は他にも少なからずいたのではないでしょうか。

そういうわけで発売元こそ違うものの、
実質的には自転車創業の作品の第1弾となります。

自転車創業といえば、今ではすっかり「ANOS」で有名ですね。
ANOSとはAdvanced Novel Operation Systemの略であり、
これによって過去の任意の地点に戻ることが出来ます。
つまり、バックログで任意の位置に遡り、
それを駆使することでゲームを攻略していくわけです。
簡単に言えば、『YU-NO』のADMSのノベル版ですね。
(まぁ、ダンジョンを自ら切り開いていくようなADMSとは理念的に違うので、
単純に同じように扱うのは良くないのかもしれませんが、
大雑把な傾向が似ているものだと捉えてください。)
何れにしろもう一度ADMSみたいなのをやりたいって思ってた私には、
これは嬉しかったですね。

『YU-NO』のADMSが評価された背景にはもちろんそのゲーム性もありますが、
システムとストーリーの一体感が高かったことが挙げられます。
これは物語をこの媒体で表現することの必然性を示すものであり、
私も非常に重視する要素だったりします。
自転車創業の作るゲームにはどれもANOSが搭載されますが、
ANOSというシステムとストーリーとの一体感という意味では、
現時点では間違いなく本作が一番だと言えるでしょう。
その点では、自転車創業作品の中でも一番ポイントが高いです。

そうなると、本来ならば絶賛といきたいところではあるんですけどね。
なかなかそうも上手くいかないわけでして。

まずはグラフィックやサウンドですが、
これが同人の域から抜け出ていない感じで、
結構ショボイんですよね。

次に、システムとストーリーの一体感は良いとしても、
基本的にストーリーそのものの魅力が足らなかったかなと。
ボリュームもなかったですしね。
たまにストーリーが良いとの評判もありますが、
それは一体感を高く評価しているのであって、
物語の面白さはさほどでもないと思うのですよ。

それと、ANOSはその後進化して独自の面白さを追求していきますが、
本作の時点ではまだまだ未熟なんですよね。
処女作としては仕方ないのかもしれないですが、
ちょっと便利なノベルゲーの域を出ていないと思いますから。

そういうわけですので、
発想は良かったけど全ての面で荒削りすぎた作品って感じでした。
ですので、この作品自体は高く見てもせいぜい良作止まりなのでしょうが、
今後は化けそうなそんな原石を発見した気分になれました。
以後自転車創業を追いかけていくわけですが、
名作でなくともそういう気分にさせてくれるゲームだったのです。

自転車創業の作品に関しては、
システム的に化けたのは次の『空の浮動産』だし、
それを受けた『ロストカラーズ』が現時点の最高傑作だと考えます。
そうなると荒削りな本作を今からプレイする意味があるかは疑問ですが、
前述のようにストーリーとシステムの一体感はこれが一番でして。
今でも結構根強いファンがいるのも、
そこら辺に理由があるのだと思いますし。
なのでANOSに興味のある人は、
本作から手を出してみるのも良いかもですね。
記念すべき第1弾でもあるわけですから、
最初の作品から自転車創業を追ってみるのも良いかと思いますよ。
表向きはノベルゲーなのですが、
その根っこには昔ながらのADVの魂が宿されています。
歯応えのあるADVをやりたいって人には、
ぜひとも自転車創業のゲームはやってもらいたいものですね。

ランク:B(良作)

あの、素晴らしい  をもう一度/再装版



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