ゼノギアス

ゼノギアス

『ゼノギアス』は1998年にPS用として、
スクウェアから発売されたRPGです。

これだよ、これなんだよ~って歓喜してから、
もう10年以上が経ってしまいましたね。

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<ストーリー>


90年代に入ってからRPGのストーリー面が進化していきましたが、
個人的にはこれがマイベストのような気がします。

もちろん、ストーリーといっても方向性は様々です。
同じく衝撃を受けた『闘神都市2』と本作は良さのベクトルも違いますし、
一概には比べられるものではないでしょう。

それは他のRPGとの比較でも当てはまりますが、それでも少なくとも、
複雑に張り巡らされた伏線の数々とその収束していく構造、
及び物語の壮大さという観点からは、
やっぱり『ゼノギアス』が最高なんだと思います。

物語のジャンルとしては、一応SFということになっています。
個々のエピソードを見てみるとわかるのですが、
既存のSFアニメや小説とかに出てきたようなエピソードが、
あえて「わかるように」随所に置かれていたりします。

私はモロにガンダム世代ですし、SF作品は大好きなわけでして。
自分の好きな要素が随所に散りばめられている、
まさに私のような人間のために用意されたかのような作品でした。
ちょっとしたパロディ要素が満載の作品ですからね、
ここはこのネタだなって気付くたびにニヤリと出来たものです。

これはこれで1つの楽しみ方だとは思うのですが、
メジャーなゲーム機ではライトユーザーも多いですし、
この頃はニワカなオタが急増し出した頃でもありますからね、
世間的には一部で少し残念な見方もありましたね。
コアなSFファンは私と同じように捉えた人も多かったのですが、
エヴァしか知らない世代がほんの一部似ているだけで騒いでましたから。
私にはその光景は釣り餌にかかった魚にしか見えない滑稽なものでしたが、
何れにしろどちらも好きな作品だけに、
そういう狭い見方しかできないファンがいるのは非常に残念でしたね。

さて、かように細かい個々のシーンでは、
パロディの要素も多分に含む作品ですが、
大抵のパロディ作品は元ネタを知らないと楽しめません。
しかし、本作は全く知らない人でも感動できたというケースが非常に多く、
そこが他と違うところなのでしょう。
私はネタを見つけてニヤリとしながら遊びましたが、
全く知らない友人も皆はまってましたからね。
パロディ部分はあくまでも枝葉でしかないのであり、
肝心の幹がしっかりしていたということなのでしょう。
随所にネタと複線を張りながらも最後は奇麗に纏め上げる。
これは非常に上手かったなと感心したものです。

もう一つ、言及すべき点がありますね。
先に、『ゼノギアス』は一応SF物になると書きました。
一面ではいろんなSF作品の良いところを纏め上げたような作品ですからね、
一見するとSF作品に見えるでしょう。
本やレビューとか、どれを見ても多くはSFとしていると思います。

しかし上記のような構造ですので、
本当の意味でのSF作品ではないのでしょう。
科学的な命題を突き詰めるという内容ではないし、
多くの要素は他のSF作品にも見受けられるものです。
特にSF的観点から目新しいものはないと思いますので、
SF的観点からは本作を最高とは思えません。
おそらく、ハードなSF小説好きとかは同じように感じるかと思います。

むしろこれはファンタジーなのでしょう。
TVゲームしかやらない層からは少し誤解されている面もありますが、
そしてSFCとかで育った少し古い層にも結構誤解している人が多いのですが、
「中世ヨーロッパ風の世界=ファンタジー」なんてのは、
全くもって間違いです。
ファンタジーというのは独創的な世界観を構築した作品であり、
和風でも中華風でもオーストラリア風でも近未来風でも良いのです。
ろくな世界設定の説明も無いままに舞台は中世ヨーロッパ風。
そんな作品が90年代には多かったのですが、
そういう作品は本来はファンタジーとしては失格なんですよ。
(まぁ、そういう作品も好きだから、
世界観の二次創作的な観点で存分に楽しみましたけどね。
でも、好きか否かと評価とは話が別ってやつです。)

その点、『ゼノギアス』は秀逸でしたね。
この世界が如何にして生まれたのかという、
世界の成り立ちという大元から描きつつ、
どうしてモンスターが存在するのか、
人々はどうしてそういう現在の生活に至っているのか等の、
非常に細かい点まで設定され一貫性を持ってゲーム内で表現されていました。
ゲーム内で細かく調べれば調べるほど、
その世界の構造が伝わってきたものです。
(メインシナリオしか追わない人は、ここを見逃しがちなのですけどね。)
これはもう、立派なファンタジー作品なのです。
私が最高と感じた理由は決してSF的観点ではなく、
こうしたファンタジー的観点が非常に強いです。
そう考えると『ゼノギアス』は、
本質的にはファンタジー好きの人にこそ向いているのではないでしょうか。

以上のように、まずはストーリーが良かったというのが、
本作の最大の特徴なのでしょう。

<グラフィック>


もちろん、本作には他にも魅力が一杯あります。
中でもOPは抜群でしたね。
当時としては信じられないくらい高画質で、
これは今見ても何ら遜色はないのではないでしょうか。
凄く気に入ってしまって、これだけでも一体何度見直したものやら・・・

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ゲームのOPムービーは今ではほとんどのゲームにあります。
でも、ほとんどは単なる映像の連続で物語性もなく、
本編と関係ないんですよね。
正直、見ても見なくても構わないのが多いです。
だからOPに金をかけるくらいなら、
もっと違う部分に金や労力を割けよと思うこともしばしばあります。

その点『ゼノギアス』では、OP自体が物語性を持っていて、
それで何度も見たくなるし、
しかもその物語が本編にも直結してきますから、
作品にとって必要不可欠な要素になってきます。
こういう作品に不可欠な構造のOPってのは、私は非常に好きですね。

グラフィック面では、他にも特徴があります。
前年の『FF7』では、2DのCGマップに3Dのポリゴンキャラでした。
本作ではその逆を採用しています。
つまり、3Dのマップに2Dのキャラを使用しているのです。

好みもあるでしょうが、私はこの方が好感が持てましたね。
ポリゴン技術がまだそれ程でもなかったので、
キャラを3Dにされても違和感があります。
また3Dの戦闘といっても、アクション系の作品ならまだしも、
一般的なRPGのようなコマンド選択式の戦闘では、
見た目の派手さ以外にメリットはなかったわけでして。
だったらキャラと戦闘は伝統的な2Dでも良いと思ったんですよね。

逆にマップは3Dにすることで立体感や奥行きが生まれましたし、
ジャンプ行動ができることで攻略や探索の楽しみにも反映できましたし。
2DのCGマップと3Dのポリゴンキャラという構造には、
インパクトを与える以外の必要性は感じなかったのですが、
3Dマップと2Dキャラの組み合わせには、
少なくとも本作からは必要性を感じられたということですね。
技術の発達した今なら、フルポリゴンが最適な選択かと思いますが、
当時の技術ならこの方法が最適だと思います。
もう一つ細かい点も指摘するならば、安易にFF7と同じ路線を選択せず、
異なる方法を模索した姿勢自体も好ましいものでした。

<戦闘>


他方で戦闘面では、あまりやり込み要素とかは無い作品でしたね。
なので、ストーリーはいらん、
とにかく戦闘・育成がしたいって人には向かないでしょう。
まぁ、そんな人が本作をプレイするとは思えませんけどね。
あくまでもストーリー重視の作品である事を前提とした場合、
戦闘システムも秀逸だったと思います。
単なるマンネリシステムではなく独自性も発揮していましたし、
それでいてテンポ良く進みましたしね。
ストーリーが終わるまでは飽きない程度の目新しさがあって、
ストーリー進行を阻害しないテンポの良さを併せ持ってるわけですからね。
ストーリー重視の作品としては、これで良かったのだと思います。

時々、本作は2枚目が勿体無かったという話を聞きます。
私も当時は友人らと、
2枚目を完全にしてくれたら3万円でも買うよね~って話してました。
でも近年になって、その考えが変わっています。
本作の2枚目は普通のRPGとは異なっていて、
ストーリー進行とイベントバトルが交互に繰り返されます。
だから当時はこれはRPGじゃないよって意見や、
省略されて残念って意見があったわけです。

でもね、本作はボリュームが大きいのです。
私は時間を確保してのべ5日間の50時間強でクリアしたと思いますが、
方向オンチな友人は80時間でクリアまでに2ヶ月かかりました。
ストーリー重視で、しかも伏線がかなり張られている作品ですからね。
これ以上長くされても、当時の私のような時間を確保できた人は別として、
普通の人はストーリーや複線を忘れてしまってついていけなくなるのです。
現状の作りであっても忘れてついていけない人が出てくるくらいですので、
2枚目を普通のRPGにしたらついていけない人が続出するのが、
もう目に見えています。
そうなると私を含めた極々一部の少数の時間を取れた人だけが大絶賛し、
多くの人から意味分かんね~電波ゲーって言われていたでしょう。
これでは、もし2枚目に戦闘を入れ普通のRPGと同じように完璧に作っても、
かえって評判は落ちていたでしょう。
ストーリーも終盤で非常に混乱しそうな所だから、
あえてストーリーに集中できるように作った。
むしろ余計な部分を削った英断とも言えるのかもしれませんね。
これは上述の戦闘の部分も同様で、
複雑な戦闘はプレイ時間の延長につながり、
ストーリーの進行を妨げるおそれが生じてしまいます。
そういう点も踏まえると、シナリオ重視のRPGとしては、
本作の戦闘はかなり優秀だったように思うのです。
後は、これはRPGじゃないって意見に対しては、
SLGに多くのジャンルがあるようにRPGだっていろいろ方向性があるわけで、
戦闘がしたけりゃ別のゲームやってた方が良いのであって、
本作はそういうゲームじゃないよって感じですかね。

<感想・総合>


そんなわけで、ストーリー重視のゲームが好きな私には、
非常に満足出来た最高の作品でした。

最後に補足しておきますと、本作はエピソード5となっています。
主人公のいる時代がエピソード5って位置付けになっており、
ゲーム中では他のエピソード2~4も触れられています。
『ゼノギアス』で全く触れられていないのは、
本作の前であるエピソード1と、
本作の後の物語であるエピソード6だけです。
もし順調に続いていれば、全3作品だったかもしれませんね。
一応繋がりはなくてもエピソード1に相当するネタを流用した作品として、
ゼノサーガシリーズ(1~3)がありますが、
それでもエピソード6は全く分かっていません。
いつかどこかで楽しめる機会があれば良いですね。

ランク:S-(名作)

ゼノギアス

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