The Longest Journey

The Longest Journey

『The Longest Journey』は1999年にWIN用として、
ノルウェーのFuncomから発売されました。

MYSTシリーズ以外では久しぶりに、
世界中で大ヒットした傑作ADVでしたね。

longest29.jpg

<概要>


ゲームジャンルはポイント&クリック式ADVになります。
内容的には、近未来も含んだファンタジーものでした。

本作のオリジナル版はノルウェーでの発売だったのですが、
その後、英語版(UK&US)、フランス語版、スウェーデン語版、
オランダ語版、ドイツ語版と各国に移植されました。

世界各国に移植されヒットしたこともあり、WIN時代の海外のADVとしては、
かなりの大ヒットとなった作品でした。
もっとも、残念ながら日本語版はありません。
なので、私も英語版でのプレイとなりました。

<ゲームデザイン>


ADVといっても、その種類は様々なものがあります。
中でもストーリー重視のノベル系と、
謎解き重視のMYST系とが対極に位置するでしょうか。
どの基本システムが一番良いのかは、一概には決められません。
どのシステムを採るかではなく、結局はその作品次第ですからね。

もっとも構造上というか、私が考えた中では、
P&Cタイプが一番バランス良く優れた物を作れる気がします。
実際、海外のADVの主流はP&C(ポイント&クリック)タイプですしね。
しかしながら、このシステムは優れた物を作れる反面、
労力もセンスも要します。
そのためか、国内でも評判の良いゲームが多いにもかかわらず、
この形式のゲームは絶対数自体がとても少ないです。
P&C好きとしては、このような現状は残念で仕方ないですね。

さて、このP&CタイプのADVの最高傑作は何でしょうか?
以前、『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』の紹介をしました。
このゲームはP&Cタイプであり、
個人的にはゲーム史上最高傑作とさえ考えています。
ただ、YU-NOはP&C式ADVにADMS等が付加されており、
構造的には変則的なスタイルとも言えるでしょう。
いろんな要素が組み合わさった結果最高と考えるけれども、
決してP&C部分を極めた作品とは言えないと思います。

オーソドックスなP&Cタイプの最高傑作。
そしてP&Cという基本システムを極限まで極めた作品。
そう限定するならば、
私は迷うことなく『The Longest Journey』の名を挙げるでしょう。

『The Longest Journey』は1999年にノルウェーで発売された後、
世界中に移植されて大ヒットした作品です。
P&Cタイプとしては結構後発なこともあり、とても洗練されていました。

クリックできる数の多さ、クリックできる場所のわかりやすさ、
クリックした時の反応の多彩さ。
全てが良く出来ていました。
また使用するアイテムの数が多いだけでなく、
複数のアイテムを組み合わせる必要があり、
考えさせられつつも難易度も絶妙でした。

それだけではありません。
NPCと会話する時は選択肢を選んでいくのですが、
それによって途中の展開が若干変わることもありましたね。
ここら辺のプレイ感覚は、ノベル系ADVに通じるものがあるでしょう。
ノベルでは普通のことかもしれませんが、この形式では珍しい部類でした。
異なるジャンルの良い所を吸収することは良いことだと思います。

また壮大かつ膨大なストーリーに置いて行かれないように、
次に何すべきかについて主人公であるエイプリルちゃんの日記が用意され、
さらにこれまでの内容を忘れないようにログ機能も搭載されていました。

こうして見てみると単なるP&Cってだけではなく、
ノベル系ADVの良い点も見事に取り入れているんですよね。
99年のノベル系ゲームが、
システム的に未成熟だった時期ということも考えれば、
その意味合いは更に増すというものでしょう。

このゲームはRPGみたいな3人称視点のゲームなのですが、
ADVでこの方式をとると移動が面倒って感じる場合もあります。
だってそうでしょ。
RPGやA・ADVは敵がいつ出てくるかって緊張感があるからこそ、
直接移動させることに意味があるわけで。
何の理由もなければダルイだけです。
(そういう観点から、最近のRPGの無駄に広い街を移動させられる点は、
大幅減点と考えます)
その点本作は、ショートカットキーで一発で移動できますからね。
細かい点までぬかり無しです。

狭義のゲーム性が群を抜いていたと言いましょうか。
ADVというシステムでどうしたら楽しめるのか、
『The Longest Journey』はそれを徹底的に極めたゲームだと思うのです。
正直、私はこのシステムにはケチのつけようがありません。
ADVとして、かなり理想形に近い姿になっているのではないでしょうか。
伝統的なP&Cスタイルを極限まで極めた姿が、ここにはあります。
そして残念なことでもありますが、
以後のP&C式ADVはシステム的にはほとんど進化していません。
発売から10年を迎えようとする今になっても、
明確にこのTLJを超える作品は出てきていないのです。

純粋なP&CタイプのADVとして、
歴代でも今現在の観点からも間違いなく最高傑作と呼べるのが、
この『The Longest Journey』だと私は考えるのです。

<ストーリー>


longest6.jpg

少しシステム面での話ばかりになりましたので、
それ以外の部分も見ていきましょう。
ストーリーはファンタジーものになります。
舞台となるのは2209年、高度に科学が発達したStarkと呼ばれる世界。
そこで美大生として過ごす、18歳のエイプリルちゃんが主人公です。
彼女は日々奇妙な夢に悩まされていましたが、
次第にそれが単なる夢ではなくなっていきます。
そして自分の住む世界とは異なる、
魔法の発達した世界Arcadiaの存在を知り、
この2つの世界のバランスが崩れかけていることを知ります。
これを解決できるのは彼女しかいないわけでして。
そこから彼女は世界を救うべく、
2つの世界を行き来する壮大な冒険が始まるのです。

科学の発達したStarkの世界は近未来的で、
どこか無機質で冷たい感じがします。
他方でArcadiaは、いかにも中世風ファンタジーな雰囲気を漂わせています。
一つ一つの世界自体もよく出来ていますが、
その対比もまた良く出来ていましたね。
メリハリがつくことで、相乗効果で良さが際立っていきましたし。
さすがにファンタジーの本場のヨーロッパの作品とでも言いましょうか、
センスが全然日本の作品と違うんですよね。
国内のファンタジーではこうしたものは出てこないでしょう。
ただひたすら感心するばかりです。

そして『The Longest Journey』という題名の通り、
2つの世界を股にかけたエイプリルちゃんの冒険は、
壮大で長い長い冒険でした。
内容が素晴らしいだけでなく、ボリュームも見事でしたね。

<グラフィック>


また、秀逸な世界観を表現すべきグラフィックも圧巻でした。
CGのセンスは当時は当然であるとして、
今現在でもとても素晴らしいものです。
さすがに画質面は、今ではもっと優れたのは一杯ありますけどね。
とはいえ、画質に関しても99年当時では間違いなく最上級でしょう。
99年ではFF8と本作が双璧だったのではないでしょうか。

サウンド面も素晴らしかったですね。
フルボイスはもちろんの事、
BGMから効果音まで全くぬかりはありませんでした。

<感想・総合>


ゲーム性にストーリー、グラフィックにサウンド、ボリューム、
そして操作性に対する細やかな配慮まで。
どこをとっても、本当に良く出来た作品でした。
よく99年の時点でここまでの作品を作れたものです。
ましてやノルウェーの会社ですからね、大穴どころの騒ぎじゃないですよ。

クリアした時の感動は、今でも忘れられません。
今やっても絶対に楽しめるでしょう。
ってか、WIN以降のP&C系のADVを語る上では、
TLJは絶対に避けて通れないとさえ思いますよ。

後はね・・・
いや、キャラも凄く個性的なのが多くて良いですよ。
客観的に判断すれば、個性的なキャラも十分に長所となります。
ただ、ただね・・・
エイプリルちゃんがもうちょい可愛ければなあ~
国内のゲームだったら絶対に美少女にされてるでしょうに。
世界設定に見せた卓越したセンスや技術力が、ここでは欠片も見えません。
(まさかノルウェー人はこういうのが良いとかってことないよね?)
この部分だけは、日本のメーカーを見習って欲しいです。
エイプリルちゃんがユウナ並だったら、
もうそれこそ本当に文句無しだったんですけどね。

ランク:S-(名作)

The Longest Journey

関連するタグ WIN /ADV /P&C式 /


月影のシミュラクル   緋のない所に烟は立たない  いつまでも僕だけのママのままでいて
カテゴリ「海外ADV」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/1626-44213b99
| ホームへ戻る |