黄昏のシンセミア

黄昏のシンセミア

『黄昏のシンセミア』は2010年にWIN用として、
あっぷりけから発売されました。

キャラの魅力とフローチャートの利便性。
2010年で最も好きな作品でした。

sinsemia12.jpg

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
天女の羽衣の伝説が残る御奈神村(みなかみむら)。
山に囲まれた風光明媚な一地方。
大学生の皆神孝介は、
夏休みを利用して母の故郷であるこの村を訪れる。
きっかけは叔母から受けたアルバイトの話。
懐かしいこの村では少女達との出会いと再会が待っていた。

<ゲームデザイン>


ゲーム自体は普通のノベルゲーなのですが、
本作にはフローチャートがついており、
これは『コンチェルトノート』と一緒ですね。

『コンチェルトノート』のときは若干の使い辛さがありましたが、
今回はそこから改善を図ってきていますので、
かなり使いやすくなっています。

フローチャートは単に表示されるだけでなく、
シーンを選ぶことでその時点に戻れます。
この機能によってセーブし忘れによるやり直しも防げますし、
既読スキップの煩わしさもなくなりますからね。
特に近年のノベル系はボリュームが増えてきていて、
スキップでボ~っとしている時間も多くてだれやすいです。
なので、余計にもこの機能がありがたいわけで、
本作は非常に快適でしたね。

<感想>


ストーリーは、とりあえずは伝奇物になるのでしょう。
ただ、伝奇物としてはわりと普通なので、
あまり期待しない方が良いと思います。
この辺も『コンチェルトノート』と同様ですね。
あちらは掘り下げれば化けそうな気もしましたが、
こっちはそういう感じもしませんでしたし。

だから伝奇云々というのではなく、
むしろ田舎ゲーとか夏ゲーと捉えた方が楽しめると思います。
主人公は大学生で、夏休みを利用し、
かつて住んでいた母の故郷に戻ってきます。
そこで幼馴染と再会したり、
プレイしていて懐かしいって感覚が強いんですね。
基本的には、そういう雰囲気を楽しむゲームと言えるでしょう。
「田舎」とか「夏」に、ピンとくる人にはオススメでしょうね。

こういう雰囲気ゲーはまったりする傾向があることから、
場合によっては非常にだれるおそれがあります。
これはテキスト次第なので、
読み手によっても印象が変わるでしょう。
主観的な部分にかなり依存するので断言はしにくいのですが、
私には非常に合いました。

そもそも本作のライターさんは、
落ち着いた感じのテキストを書きます。
萌えゲーに多い奇天烈なキャラもほとんどいませんし、
パロディに頼ったギャグもありません。
なので、今の典型的な萌えゲーが好きな人には、
もしかしたら地味で大人しく感じるかもしれません。
でも、派手さはないけれど楽しめちゃうんですよね。
部分的に言葉遣いが変なところもありますが
(これは書き慣れれば解消されるでしょう)、
基本的にはかなり力のある人だと思います。

これもコンチェルトノートの時からそうだったわけですが、
コンチェルトノートでは主人公が高校生でした。
本作は主人公が大学生で周囲にも同年代やそれ以上のキャラが多く、
比較的年齢が高めなんですよね。
このテキストの雰囲気には年齢が高めの方がしっくりくる気がして、
より自然な印象を抱きました。
この部分が、個人的には大きかったように思います。

学園物とかでは、高校生という設定の中に、
中身が子供にしかみえない幼稚な子もいれば、
逆に老成したようなキャラも全部混ぜられて、
どうにも不自然に感じるケースが多いです。
本作には他のゲームに一番多い層である高校生が、
ほとんど出てきません。
大学生か或いはそれ以上の年齢か、
逆に子供っぽい動作をする子は、
ちゃんと相応の年齢設定になっています。
だから設定と言動が一致した自然な印象を抱けたのでしょう。
テンプレな恋愛物に飽きた私が楽しめた背景には、
こうした点があったからなのだと思います。

さて、本作は上記のように田舎ゲーでもありますが、
他方で妹ゲーの色彩も強いです。
というか、むしろ一番の魅力はそこにあります。
妹のさくやがストーリー上でもメインになりますので、
彼女を気に入るかで印象はかなり変わるでしょう。
また言うまでもないですが、実妹はちょっと勘弁って人は、
このゲームに手を出さないのが賢明でしょうね。

妹ゲーは、今では数多く発売されています。
しかし本作のような妹、即ちクールで落ち着いていて、
兄に極端にベタベタするわけでもなく、
かといって毛嫌いするわけでもなく、
適度な距離感を持ちつつも、
ちゃんと信頼している感じが伝わってくる。
こういう雰囲気の子は、
いそうでいて意外とゲームにはいないタイプの妹だと思いました。
それでいて主人公との会話は漫才みたいで面白かったですしね。
個人的にはかなり気に入りました。

「田舎」「夏」「妹」、この辺りに反応する人向けのゲーム。
一般的に言われるような、
大雑把なイメージはそんなところでしょうね。

ここから雑談じみた感想になりますけど。
まずは妹ゲーに関しての補足ですが、
さくやと並んで人気が出そうなのが、従妹の翔子でしょうか。
見た目と設定的には小○生にしか見えないですが、
幼さ加減も背伸びしようってところも年相応で、
見ていて微笑ましくなってきますね。

ゲーム中ではあまりにジャコスに行きたがるものだから、
こっちまでジャコスに行きたくなりましたよw
やっぱりジャコスですよね。
インオじゃ語呂が悪いですし。

とまあ、2枚看板が妹系なので、
一般的にはそういう印象のゲームと捉えられているんでしょうね。

でも、登場人物を見てみれば分かるのですが、
ヒロインの半数以上は大人の女性です。
主人公より年上だったり、同年代の幼馴染も大学生の年代なので、
他のゲームならお姉さまキャラとして扱われる立場です。

しかも出てくるヒロインは良いキャラばっかで、
それでいて皆異なる路線なんですよね。
つまり、年上好きには格好の穴場でもあるわけです。
こうもタイプの異なるお姉さんが一杯出てくるゲームで、
ゲームとしてもきちんと出来ているのって、
探しても中々ないですからね。
メインは妹と伝奇・田舎なのかもしれませんが、
それだけならややパンチに欠けるかという気もします。
そこに年上スキーを満足させるという要素が加わるってのが、
本作のミソなんですよ。

sinsemia10.jpg


惜しむらくは、総本山たる皐月さんルートが存在しないこと。
美人で可愛くしっかりしているのに、
ほんわかした雰囲気も併せ持っている人妻。
それでいてセーラー服なんて凶器も持ち出してくるわけですからね。
このゲームで嫁にしたい度ナンバー1であり、
彼女のルートがないのは痛手でした。
まぁ、皐月さんルートを作ってしまうと、
さくやルートが弱まるという理由も分かりますし、
Hシーンはあるので一応は納得しましたけどね。

あと、ボーイッシュな美里さんも凄く好きなのですが、
子供の頃のロングバージョンもゲーム内にあれば、
格段にインパクトが増したんでしょうね。
余談ですが、OHPの「いつかって、今さっ!」は笑いましたw

ここまでグラフィック・サウンド等には触れてなかったですが、
演出面全般もかなり良かったです。
エフェクトそのものは普通なのでしょうが、
基本的なグラフィックとサウンドが頑張っていましたから。
それだけで名作と呼べるほどに優れているわけでもありませんが、
十分に水準以上ではあったでしょう。

<総合>


全体的に丁寧に作られた作品でした。
伝奇だけを求めた人には佳作~良作程度でしょうが、
妹キャラと田舎の雰囲気が肌に合った人には、
良作~名作といったところでしょうか。
私はここまでなら良作という感じなのですが、
魅力的な年上キャラが多く揃っていたこと、
フローチャートによりシステムが非常に快適だったことの2点は、
中々他では得がたい面がありますからね。
その点を高く評価して下のランクとなりました。
逆に2010年で最も楽しめた点を考慮すれば、
AA-でも構わないのでしょうが、
傑作(AA-以上)扱いするにはもう一押し欲しかったのかなと。

今回は年下メインに周りを年上が囲むというコンセプトでしたが、
せっかく良い年上ヒロインも作れるのですから、
今度は年上ヒロインをメインにしたゲームを作ってもらいたいです。
強烈なロリは1人で、あと皆主人公より年上みたいな感じで。
売れるのかはちょっと疑問ですが、
ライターさんはしっかりした女性を描けるので、
そういうゲームの方が良いゲームが生まれやすいと思いますからね。
コンチェルトノートの時にも書きましたが、
本作もまた一見初心者向けのようでいて、
実は結構10年選手が意外にはまりやすいタイプだと思います。
その人らならお姉さん属性を備えだしてる人も多いでしょうしね。

ランク:A(名作)

黄昏のシンセミア 通常版

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