猟奇の檻 第2章

猟奇の檻 第2章

『猟奇の檻 第2章』は1997年に日本プランテックから、
PC98用として発売されました。

ミステリー系ADV中の1つの方向性の到達点かもしれませんね。

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<概要>


ゲームジャンルはマップ移動式ADVになります。

あらすじ・・・作業用大型機器から爪楊枝の制作まで、
海外を合わせても数十のビルを持つ、巨大複合企業“帝国創世新社”。
その本社警備部に在籍していた斉藤剛史は、
突如“ファンタージェン部門”への出向を言い渡される。
コンピューター制御の最新設備を導入した、
夢と冒険のハイテクテーマパーク“ファンタージェン”。
そこでの警備は普通の警備ではなく、
テーマパーク内を騎士のコスプレをして行うものであった。
慣れない格好に戸惑いながらも、
可愛い女性キャスト達に囲まれた職場を楽しむ斉藤。
だがそんな折。同僚であるカストーディアルキャスト(清掃員)が、
施設の誤作動により事故死する。
その後、送り付けられてきた1通の殺人予告とも取れる謎のメッセージ。
湧き上がる疑心と、広がる噂。
パークの管理システム“MAOS”を作り上げ、
パーク完成目前にして失踪した天才設計技師、草加部総一郎の仕業なのか?
徘徊する白い影。それは過去、パーク内で自殺を遂げた少女の怨念か?
そして一切の手がかりもないまま、第2の犠牲者が・・・。
警告とばかりにMAOSにより崩壊するアトラクション。
人々の安全を守るはずであるMAOSが絡み頻発する事故。
犠牲者は2人では終わらない。
パーク全域を管理するMAOSは完全に乗っ取られ、
ファンタージェン全域を狩猟場とした殺人ゲームが始まった。
誰が?何のために?斉藤は次々と発生する殺人を阻止し、
ファンタージェンの裏に隠された謎を究明できるのか?

<総論>


一言で推理ADVといっても、そのシステムには様々なものがあります。
個人個人の好みもあるから、
このシステムこそが最高ってのも一概には決められないわけです。

ただ、同じシステムならばある程度は比較することもできますよね。
ある一つの方向においてならば、
最高の作品ってのも決められるかもしれません。

そして『猟奇の檻 第2章』もまた、
そんな推理ADVの一つの完成形と言えるのではないでしょうか。

<ゲームデザイン>


ADVのシステムの一つとして、
RPGのように主人公を直接動かしていくタイプのゲームがあります。
これと時間経過は直接の関係はないけれど、
動くことで時間が経過するとリアリティも増してきます。

この両者を組み合わせたのが『同級生』ですが、
『同級生』は恋愛ゲームというかナンパゲームでした。

優れたADVのシステムがあるならば、
推理ADV好きとしては推理物をそのシステムでやってみたいと、
当然思うわけでして。

そこで時間の概念を取り入れたアダルトな推理ゲームとして登場し、
高い難易度でも話題になったのが初代の『猟奇の檻』でした。

もっとも『猟奇の檻』は時間の概念はあるものの、
基本システムはコマンド選択式のADVであり、
移動先を選択するだけの簡易マップ移動式になります。
つまり同級生のように直接移動するゲームではないのです。

でも、事件の調査は本来足で行うもの。
直接主人公を動かす方式と推理ものの相性は良いです。

という理由からかどうかは知りませんが、
この『猟奇の檻 第2章』では、
前作のように簡易マップから選択するのではなく、
『同級生』のように直接キャラを動かす形式になりました。

直接足で調べる構造も、行動による時間の経過も、
事件を解くという性質や連続殺人事件などの性質とマッチしています。
錯綜する人間関係や時系列が、システムと上手く整合してるんですよね。
推理ADVの方向性の一つとして、これは十分ありなんだと思います。

しかしながら『猟奇の檻 第2章』以降、
この手のシステムを使いつつ本当に面白いと感じるゲームが
出てきていません。
だからこそ推理ADVの一つの到達点としてこのゲームが存在し、
今尚プレイしてみる価値があるのではないかと思うのです。

ただ、補足するならば、このゲームは凄く難しかったです。
今やったら挫折するかもしれないですね。
メモが必須なのはもちろんのこと、それでもややこしすぎてね。
このシステムでこれ以上の難度は不要でしょうね。

因みに、本作にはリメイク版があるのですが、
システムが変更され、上記の私の説明が全く妥当しません。
リメイク版は時代の変化に合わせて、
ゲーム性よりも読ませることに重点を置いたのでしょうが、
個人的には本作の特徴の最たる部分が失われたように思ってしまいます。

<グラフィック・サウンド>


また、あるシステムが良かったからといって、
他が駄目ならゲームとしては駄目なわけでして。
本作を評価するからには、システム以外にも優れた面があるわけです。

原画は横田守さん。
説明不要なほど有名ですよね。
最近の絵柄よりは、このころの方が私は好きですね。
なので、好きなキャラが大勢いました。

尚、リメイク版は、絵の魅力が全くなくなっているので、
その意味でもオススメできないです。

塗りに関しては、本作の発売が97年ということで、
PC98用の16色では少し地味かもしれません。
まぁ1月発売なので、実質的には96年の作品と大差ないのですけれど。
そして16色としては最高ランクの出来であり、
地味ながらにも良い味を出してました。

また、別名ガンダムAパーツBパーツと呼ばれ話題になったシーンなど、
ショッキングなシーンも多かったですね。
だからこその「猟奇」なのでしょうけれど。
その意味でもグラフィックに魅入ったものです。

サウンドのMIDI音源も良かったです。
尚、CD版では音声も付いてました。
当時のアダルトゲームでは音声付は珍しかったので良かったですね。

<ストーリー>


概要にあるように、同僚の死をきっかけとした、
ミステリーものになります。

複雑な人間関係、濃い背景が存するストーリーの魅力は今回も健在。
前回がデパートで今回が遊園地と、
舞台設定もあまり見かけないタイプですしね。
舞台が舞台だけに、ヒロインの年齢が高めであることも、
個人的には好印象です。

当時は既に恋愛ゲーないし萌えゲーが中心になっていたけれど、
萌えはなくとも、ぐいぐい惹きこまれるし、面白かったですね。
だからこそ、いまだにファンがいるんでしょうけどね。

<感想・総合>


ちょっと難易度が高すぎた感もありましたので、
難易度の高さに挫折する人はいるだろうなという不安はあります。
しかしヌルゲーマーには好まれない反面、
PC98時代には高難度のゲームを好む人も多かったので、
そういう人には最高の作品になりえたでしょう。

そしてそれを除けば、およそ欠点らしき欠点のない、
全てにおいて優れた作品でしたね。

ランク:AA(名作)

猟奇の檻 第2章

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