冒険者達 賢者の遺言

冒険者達 賢者の遺言

『冒険者達・賢者の遺言』は、
1986年にアスキーからPC-88用として発売されました。

ジャンルはADVで、
内容的には中華風のコメディー物になります。

kenja02.jpg

最初期のADVはコマンド入力式でした。
その名の通り、自分のしたいコマンドを直接キーボードから入力するのです。

この方法は理論上はプレイヤーの行動は無限にあり、
自由度が高かったと言えるでしょう。
ただその反面、何度もキーボードで打つのは面倒だったし、
また正解が解らないとクリアどころか次の場面に進む事さえ困難でした。

その後に出てきたのが、コマンド選択式。
あらかじめ用意されているコマンドを選択することで、
ゲームを進めるのです。

これにより、コマンド入力式のもつ煩わしさから解放されました。
しかし、同時にプレイヤーの自由度は大幅に減りました。
また「総当り」と時々揶揄されるように、
選択式ADVの多くはコマンドを全て試せば
誰でもクリアできるという欠点もありました。

ゲームシステムというのは、
かようにあちら立てればこちら立たずと、
なかなかうまくいかないものです。

そんな入力式と選択式の過渡期に発売されたのが、
『冒険者達・賢者の遺言』なのです。

kenja01.jpg

このゲームは、両者の長所を上手く引き継いでいました。
キーボードのボタンを押すと、
それに対応する動詞群がファンクションキーに割り振られ、
それを選ぶことができるのです。

全部打つ必要もなく、入力式のもつ煩わしさはありません。
それでいて無数にあるコマンド郡から選ぶので、
選択式にありがちな総当りといった方法は事実上不可能です。

コマンド入力式とコマンド選択式。
『賢者の遺言』はその両方の魅力を併せ持つことで、
ADVの在り方について新たな可能性を見出した作品だったのです。

またクリアには直接関係ないコマンドに対しても、
ちゃんとした返事が返ってきましたし、
アイデアだけでなく作りこみの点でも実に良く出来てましたね。

このタイプが普及すればADVももっと違った物になってた気もしますが、
手間がかかりそうですからね。
『同級生』にしてもそうだけど、
優れたシステムでも作るのに手間がかかるのって、普及しないですから。

普及するシステムって、アイデアは良いが単純かつ荒削り、
俺ならもっと上手く使えるよって、
クリエイターに思わせるようなやつですし。
そういう意味では、優れ過ぎたが故に普及しなかった例の一つでしょうね。

ストーリーは、昔の中国風なコメディー物です。
何でもありな雰囲気でしたね。
「らんま1/2」よりもこっちの方が先なんで、
先見の名があったって事なんでしょうかねw
ああいった雰囲気が好きなら楽しめるのではないかと思います。

本作は20年前の古い作品ではあります。
でもゲームデザインに関して言えば、
90年代半ばまでの典型的なコマンド選択式よりも遥かに優れています。

だからこそこんなゲーム、システムが存在していたんだよって事は、
多くの人に知っておいてもらいたい気もしますね。

ランク:AA(名作)

PC-8801ソフト 冒険者達 賢者の遺言

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