Black Dahlia

Black Dahlia

『Black Dahlia』は1998年にWIN用として、
Take2から発売されたADVです。

ブラック・ダリア事件の存在を知っている人は、
一体どのくらいいるでしょうか?

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ブラック・ダリア事件はアメリカで1947年に起きた殺人事件なのですが、
かなり猟奇的な事件と言うこともあって注目度も凄かったそうです。

結局は迷宮入りしたみたいですけどね。
結構残虐な事件で詳細を記述するのは憚れますので、
興味のある方は各自で調べてみて下さい。

尚、この事件はインパクトが大きかったのか、
後にこの事件をモチーフにした小説や映画も作られています。
小説は結構前ですが映画は2006年なので、
もしかしたらそっち関連で知っている人が多いかもしれません。

さて、ここはゲームブログなので本題であるゲームの話に入ります。
『Black Dahlia』はその名の通り、
ブラック・ダリア事件や他の幾つかの実際の事件をモチーフにして作られた、
推理系のADVであります。
尚、残念ながら日本語化はされていませんので、英語版でのプレイになります。

『Black Dahlia』を作ったTake2というところは、
以前にも『Ripper』とかも作っています。
『Ripper』はジャック・ザ・リッパー、
つまり切り裂きジャックを題材にしているわけで、
そういう事実をモチーフにしたゲーム作りを得意としていたのでしょう。

まぁ、モチーフにした題材が題材ですからね。ゲームもかなり猟奇的です。
本作はFMV(Full Motion Video)と呼ばれるジャンルで、
誤解を覚悟で平たく言えば実写ゲーです。
俳優が演技し、しゃべりまくるゲームなのです。
残虐な光景が実写+CG+ムービーで展開されるわけですからね、
これは結構堪えます。
自分が面白く感じても、絶対に子供にはプレイさせたくないゲームです。
ってか、これ何で年齢制限されなかったんだろ?
年齢制限がされて回収騒ぎになった『ファンタズム』よりも、
よっぽどこっちの方がインパクトが強い気がするんですけどね。
あっちの制限基準もよう分からんです。

グラフィックに関して少し補足しておくと、
本作のグラフィックは全方向360度パノラマ映像でした。
実写+CGなだけでなく、その映像のままぐるりと全方向見渡せたのです。

TVや映画のような世界でゲームが出来る上に、
このパノラマ視点により更に熱中度が高まりましたね。
ムービーゲーム一般にはよく映画を見れば良いじゃんって意見もありますが、
映画では自分の好きな方向や景色を見ることも、
更には実写の舞台を移動するなんてことは出来ないですからね。
これはゲームだけの特権であり、映画では決して得られない充実感なのです。

この全方向360度パノラマ映像は、
ADVの中でもMYST系ADVでの使用が先行していました。
『Black Dahlia』はFMV、つまりインタラクティブムービーになりますが、
プレイヤーの行動形式での分類によればP&C式ADVになります。
そして、こういうストーリー系のP&C式での360度パノラマ映像の使用は、
当時はほとんどなかったはずです。
また、現在は主流がCGの1枚絵+ポリゴンキャラになってしまっており、
やっぱり本作のような形式は滅多にお目にかかれません。
そういう意味では、実はかなり珍しかったのかもしれませんね。

ハードな内容にインパクトのあるグラフィック。
加えて、本作はボリューム面も満点でした。
というのも、『Black Dahlia』はCD8枚組みだったわけでして。
単一タイトルでCD8枚組みは当時世界最多枚数だと思いますが、
おそらく現時点でも最多ではないでしょうか?
以後は圧縮技術が進化したり、
ポリゴン等リアルタイム処理によって容量の食うムービーは減りますしね。
そこにきてDVDも出てきたので、たぶん最多のままでしょう。

まぁ、今となっては枚数多いからってそれがどうしたん?ってなりますが、
当時のムービー系のADVにおいては、
ボリュームと品質を保障する一定の指標にはなりえたのです。
だって、圧縮技術が未熟な状態でCD1枚、
なのにフルボイス・フルカラームービーの作品なんて、
ろくな物ではないですからね。

システムはFMV(Full Motion Video)と紹介されることが多いですが、
詳しく言えば実写を使用したP&C(ポイント&クリック)式のADVでした。
残虐で鬼畜なストーリーに、全方向360度パノラマ映像のグラフィック、
それにP&C式ですからね。
まさに私が望んでいたそのもののスタイルです。
もちろん私だけでなく、多くの人が本作を絶賛していますけどね。

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謎解き重視のMYST系ADVの発展は97年で一段落し、
98年になると再びストーリー重視のP&C系ADVが復権しだします。
とはいえ、当然ながらそれは単に従来のスタイルで復活したのではなく、
MYST系ADVの発展期に培ったものを導入した、
新しい姿のP&C式ADVでもあったのです。

本作もまたその内の1本であり、ストーリー重視のP&C式ADVに、
MYST系ADVで発展したムービーと360度パノラマ映像の技術を導入したのです。
システムを見れば大体のゲームの発売時期が分かるものですが、
本作は如何にも98年製らしいシステムだったと言えるでしょう。
そういう意味でも、98年を象徴する作品の1つと言えるかと思います。

かように、単純にストーリー重視のADVの復活を望んでいた人、
或いはMYST系で培った技術をP&C系にも活かして欲しいと願っていた人、
私も含めそういう人達には本作は素晴らしい1本と言えたでしょう。

しかしながら、本作は高い評価がある一方で低評価もあったりします。
このゲーム、結構評価が割れているんですよね。
残虐なシーンが多いということでも人を選ぶのは間違いないですが、
それに加えてゲーム部分にも問題があったのでしょう。

ゲーム部分、端的に言えばパズルの部分ですね。
このパズル部分もかなり歯応えありましたよ。
遊び応えって点では問題ないでしょう。
クリアするまでにかなり時間を要しましたしね。

しかし、本作はあまりに難しすぎました。
ちょっと自力は無理だろ~ってなくらいに。
あまり難しすぎるのはかえって楽しめないですからね。
まだこれがMYST系なら喜ばれもするのでしょうが、
ストーリー系のADVでこれをやられてはテンポを損ないかねないです。
それで評価が落ちるのも、ある意味仕方ないと言えば仕方ないのかもしれません。
私は歯応えがある分長く楽しめて、
ボリューム的にも大満足でした~ってなるんですけどね。
どうしても、ここは好みで割れちゃうでしょうね。

ゲームの難易度に残虐なシーンと、
本作が人をかなり選ぶのは間違いないでしょう。
なので万人にオススメとまではいきませんが、
好きな人はとことんはまれる、そんなゲームなんだと思いますね。

ランク:AA(名作)

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