軽井沢誘拐案内

軽井沢誘拐案内

『軽井沢誘拐案内』は1985年にPC-88用として、
ENIXから発売されました。

現在は携帯のiアプリででも遊ぶことが出来ますが、
内容の関係もあってポートピアやオホーツクと異なり、
ゲーム機には移植されなかった作品ですね。

karuizawa02.jpg

<概要>


ドラクエで有名な堀井雄二さん。
しかし個人的には国産ADVの基礎を築き上げた人って意味で、
重要なように思うのです。

その堀井さんが作ったADVは、
ポートピアにオホーツクに本作の3作品になります。
本当は『白夜に消えた目撃者』ってのが出るはずだったけど、
結局未発売に終わりました。
そのため、この『軽井沢誘拐案内』が最後となってしまったわけです。

『ポートピア連続殺人事件』や『オホーツクに消ゆ』は、
ファミコンに移植されたりして知名度が高かったです。
しかし『軽井沢誘拐案内』だけはメジャーな機種に移植されず、
極一部の人だけが知ってるって感じでした。
ここ最近になってようやく携帯のiアプリで遊べるようになり、
誰でも手軽に挑戦できる状態になりました。

そんなわけで、ようやく活躍の舞台を与えられたかのような本作品。
単体としても十分過ぎるほどに傑作ですが、
堀井作品ってことで前の作品からの流れをふまえると、
一段と深みが出てくるような気がしてきますね。

<ストーリー>


前作『オホーツクに消ゆ』は4つの連続殺人があって、
内容的にも80年代に流行った社会派ミステリーって感じの、
本格的で重い内容でした。

しかしながら、本作品はそれに反発するかのような作品であり、
題名の通り誘拐であって殺人事件は出てきません。

私が初めてプレイしたときは連続殺人物が好きだったり、
また『オホーツクに消ゆ』をあまりにも高く評価してたために、
どうにも物足りなく思ったものです。
まぁ、今は考え直してますけどね。
(あの当時は若かったので、人が死なないだけでマイナス評価でしたw)

殺人が出てこないだけでなく、ノリや雰囲気自体も軽めでした。
おもっ苦しいのよりも軽いノリのストーリーが好みの人には、
この作品はうってつけでしょうね。

しかも、要所要所にアダルトな場面が・・・
当時は18禁って概念がなかったのもあるでしょうが、
本作品はいわゆるアダルトゲーム(エロゲー)の観点から語られることが、
あまりないように思われます。
でも、それを言ったら『天使たちの午後』はどうなるのって話ですし、
ナイトライフだの団地妻だの、そもそも女性の造形自体が怪しい物もあるわけで、
それらも含めると言うのであれば、本作だって含まれて然るべきでしょうに。
ということで、個人的には本作がアダルトゲーム最初の傑作だと考えます。

<ゲームデザイン>


システムは、基本的にはコマンド選択式の推理ADVになります。
堀井作品で考えた場合、
84年にコマンド選択式ADVの『オホーツクに消ゆ』が発売、
86年にはRPGの『ドラゴンクエスト』が発売されます。
その間に発売された本作品は、システム面でも中間的な位置にあります。
っていうか、ここら辺は流れとして押さえておくべきかと。

『オホーツクに消ゆ』でコマンド選択式を導入。
これによりプレイ時の入力の煩わしさから開放され、
物語に集中できるようになりました。
その反面、プレイ時間が大幅に減少してしまうという問題に直面します。

短くなっても構わんってADVも多かったけれど、
堀井さんは出来るだけ長く楽しめるようにと思案していたように思います。
『ポートピア連続殺人事件』では地下迷路があったし、
『オホーツクに消ゆ』でも炭鉱の迷路がありました。
そして本作品にいたっては、ラストがRPGになってますからね。

コマンド選択式ADVの面白さを極限まで追及し、
そして限界にもぶち当たってしまった。
それが本作品のような気がします。
堀井さんは以後、完全にRPGに移行してしまいますしね。

ただ、時間稼ぎの苦し紛れにも思える本作品のRPG部分。
実はこれが、かなり個性的かつ非常に良く出来てたりするわけでして。

何せ初代ドラクエどころか、
ドラクエ2にも先駆けて堀井作品初のパーティ制RPGですからね。
それだけでも価値は十分でしょう。

しかも、内容がまた非常にユニーク。
主人公の「こうげき」に加えて、
二人のヒロインによる「なげキッス」(敵攻撃力減少)と
「パンチラ」(敵防御力減少)によるサポートが重要に。
また「スケスケのパンティー」が勝負を決めるなんてRPGが、
この当時に既にあること自体が画期的ですw
ぶっちゃけ、私はドラクエより好きですよ。

<感想・総合>


そんなわけで堀井さん最後のADVとして思い出深いだけでなく、
様々な限界と可能性とを秘めた作品だったのではないかと思うのです。
ADVのゲーム性とは何なのか、どうしたら楽しく遊べるのか。
そうした根本的な問題に対する、
堀井さんなりのこだわりと悩みが本作では端々に見られます。
それはADVはこう作るものだという教科書の様でもあり、
新たな問題点を突きつける論文の様でもあります。
良さも悪さも全部ひっくるめて、ADVを考える上で考慮すべき点が全て凝縮された、
本作はそんなバイブル的なゲームなのかもしれませんね。

ランク:AA(名作)

PC-8801ソフト軽井沢誘拐案内

関連するタグ PC88 /ADV /コマンド選択式 /


Making*Lovers       アオイトリ   夜巡る、ボクらの迷子教室
カテゴリ「1985」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

僕はMSX版をプレイしました。
なつかしいなぁ。もう20年くらい昔かな?(笑)

>>akayaさん
はじめまして。
コメント、ありがとうございます。
私は88版だったのでそのイメージばかりでしたが、
周りを見るとMSXでのプレイが圧倒的に多い感じですね。
発売から既に24年、来年で25年になりますね。
月日の経つのは本当に早いものです。

出ましたね、軽井沢誘拐案内
実は個人的にはオホーツクより好きだったりします。
たぶんあさみが好きだからでしょうw俺は中学生の頃からああいう小悪魔ちゃんに弱かったようですw
昔やってたサイトに軽井沢のレビュー?みたいのをしましたが、近いうちに現ブログに載せようと思ってます。
あ、ちなみにMSXに移植されてますよ!!

>>マスター栄者 さま
>実は個人的にはオホーツクより好きだったりします。
私の周りで両方やった人は、軽井沢派が多いんですよね。
これでますます軽井沢優位?
>あ、ちなみにMSXに移植されてますよ!!
ド忘れしてました、ありがとうございます。
ってか、これやった友人はMSXしか持ってなかったのにorz
>軽井沢のレビュー
楽しみに待ってますよ。

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/1543-1106381e
| ホームへ戻る |