Planescape Torment

Planescape Torment

『Planescape Torment』は1999年にWIN用として、
セガから発売されました。

海外のゲームの移植版になりますが、
日本語マニュアルのみでゲーム自体は英語のままでした。

以前、RPGとは何かについて書きました。
RPGという言葉の持つ意味、初期のRPGの製作理念、
発展期における流行の変遷。
RPGも絶えず姿を変えてきてますからね、
理想的なRPGなんてのも人それぞれでしょう。

ただね、RPGにおける全ての要素を含んだゲームがあったとしたら、
それはそれで究極のRPGと言えるのではないでしょうか。
そんな物あるわけないだろっていう人もいるでしょう。
ただ、私は究極のRPGと聞かれると、
1本だけ思い浮かべる作品があるんですよね。
それが『Planescape Torment』なのです。

『Planescape Torment』はその高い戦術性から絶賛された、
『バルダーズゲート』の戦闘システムを使用しています。
なので、そのゲームのハードさも折り紙つきです。
しかもBGの弱点でもあった移動のトロさという問題も解決してますからね。
戦闘部分だけでも十分に傑作足りうる出来です。

従来的なRPGの感覚からすると、
ゲームは敵と戦ってなんぼの世界です。
しかし本作は本当の意味、即ち役割を演じるという意味でのRPGでもあります。
敵と戦うだけが全てではありません。
クエストをクリアするためには必ずしも倒す必要はないのです。
交渉次第で何とでもなります。
本来ならば、問題の解決手段は複数あるはずですよね。
本作は敵と戦っても経験値が入るし、
交渉で切り抜けても経験値が入ります。
戦うだけが経験の全てではない、
そういうリアルな側面がゲームにも存分に生かされています。

ここまでなら自由度が非常に高くて、戦闘面でも秀逸なRPGってとこでしょう。
しかし、本作はそれだけではありません。

自由度重視のRPGって、えてしてストーリー面が希薄です。
でも、本作はストーリー面でも凄かったんです。
独特の異様な世界観だけでも満足ですけどね、
ボリュームがまた凄かったです。
テキスト量だけでも下手な小説を上回ります。
RPGってのは、プレイの大半が戦闘にかける時間ですよね。
だからプレイ時間が多いようでも、ストーリー部分は意外と少ないです。
だけどこのゲームはテキストを読んでるだけでも、
何十時間と経ってしまいます。
本当に圧倒的でしたね。

加えて、PCの高解像度を活かした緻密なグラフィックも一級品で、
見ていて楽しかったです。
RPGにおいてはグラフィックもまた大事な要素ですしね、
ここら辺も抜かりはありませんでした。

個々の要素での好き嫌いは当然あります。
だから誰がプレイしても最高と感じるとは思いません。
しかし全ての要素を兼ね備えた、
RPGファンなら誰しもが望んだであろう全てが本作にはあると思います。
まさに究極のRPG。
RPGは『Planescape Torment』の時点で一種の到達点に達したと言っても、
決して過言ではないのでしょうか。

全てのRPGの頂点に立つ究極のRPGたる側面は確かにあるでしょう。
もしこれの日本語版が発売されてたら・・・
きっと一部では、最高のゲームの評価を得ていたでしょうね。

でもね、それは一部止まりでもあると思うんですよ。
以下、私の感じた違和感を書いていこうかと思います。

バルダーズゲート譲りの戦闘は、間違いなく面白いです。
でもね、本作のテキスト量がハンパじゃない上に、
交渉次第で戦闘が回避されてしまいます。
極端な話、100時間プレイして戦闘は1・2回くらいってこともありえます。
普通に考えても、RPGに手を出す人って基本的に戦闘がしたいわけですよね。
幾ら戦闘部分が面白いといっても、肝心の戦闘がないんじゃね。
俺はとにかく戦いたいんじゃ~って人には、
はたして本作はどうなのかなって思ったり。

また、このゲームはとにかく文章を読む時間が長いんですよね。
ゲームの大半がテキストを読んでる時間です。
ある意味、ノベルゲームと言った方が正しいのではと思うくらいです。

じゃあノベルゲーム的にはどうなのか?
ノベル「ゲーム」としては間違いなく素晴らしい出来でしょう。
でもね、大半のノベル好きって綺麗なCGや派手な演出を望むでしょ。
そういうのがあるかあらこそ、小説と違う価値を見出して遊んでるんだし。

そういう人たちにとって、
ちっちゃいキャラをチマチマ動かして、
後は長々とテキスト欄のテキストを読み進める本作は、
はたして本当にうけるのだろうかと思うのです。

何ていいますかね。
従来のADVやRPGに不満を持っていた人、
新しい可能性を待ち望んでた人には本作は最高の1本となりうるでしょう。

しかし、従来のRPG好きがRPGに望むものや、
従来のノベル好きがノベル望むものとは微妙にずれてる気がするんです。
需要と供給が一致しないと売り上げも伸びないけれど、
評価も伸びませんからね。
なので、やっぱり一部では絶賛されても、
万人がナンバー1と評するとは思えないのです。

本作はとにかく時期が悪すぎた気がします。
どの時期が良いかと聞かれるとまた辛いけれど、
出来が良すぎるためにかえって異端過ぎました。

もう少し早く発売されてたら、
ゲームバンクかどっかが日本語化してたでしょう。
そしたら国内で絶賛する声もあったでしょうが…
早ければ早いほどジャンルに対する固定観念が強いですからね、
俺の求めるRPG(またはノベル)とは違うって文句もでたでしょう。

むしろ最近の方がジャンルに対する固定観念は少ないです。
そういう意味では今の方が受け入れられるでしょう。
時代がようやく追いついたってとこでしょうか。
しかし逆に今ではこんなゲームは日本語化されません。
こんな大ボリュームを英語で楽しもうってな奇特な人間は、
数がしれてるでしょう。
また今うけるようなゲームって、易しめのゲームですからね。
難易度の面でもうけにくいかと思われます。

私は他の人よりは斬新なものを好む傾向にあると思います。
でも従来のADVやRPGもまた好きな人間なんです。
綺麗で派手な演出も好きだし可愛いキャラも好きなんです。
だから究極のRPGと言いつつも、最高のRPGとは思っていません。
ただこれは私の趣味や固定観念に由来しますからね。
私の評価がこのゲームの評価の最低ラインと捉えても
良いのではないでしょうか。
お前は見る目がないな~これこそ最高のRPGだろうに。
そういう意見はあって当然だろうし、
むしろそういう熱い意見が出てくることを望みたい作品でもありますね。

ランク:AAA-(名作)

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Tormentの続編出ましたね。アーリーアクセスで。
相変わらず、膨大なテキストがみっしり詰まってます。
面白いですよ。
http://store.steampowered.com/app/272270/

続編が出ていたんですね、全く知りませんでした。
情報ありがとうございます。

今のところ評判も良さそうですし、プレイしてみたいですね。

・・・日本語化は、今回も無理なのかな~

『Pathologic』(『Pestilence。Utopia』)を演奏しましたか?あなたがプレイした場合、そのゲームについてどう思いますか?

残念ながら、プレイしていません。
PSTにも似たシステムには興味があったのですが、当時購入する手段が非常に限られていたこと、当時それほど高い評価を得ていたわけでもないのでプレイしたいという意欲もわきにくかったこと、そもそもホラーという題材への関心は薄めであることから、プレイしないままとなっていました。
日本では、ほとんど知られていないタイトルですが、一部では凄い人気のようなので、時間があればプレイしてみたいものです。

私はこれを言うでしょう:Ice-Pick Lodgeがそのゲームを作ったとき、彼らは『Planescape:Torment』といくつかの視覚小説にインスパイアされました。 このゲームのDybowskyのテキストと対話は、Dostoevskyの書籍やその他のロシア文学の古典に触発されているようです。

情報、ありがとうございます。
未プレイのため、私には判断できないのですが、話を聞いていると面白そうな作品ですね。カルト的な人気が生まれるのも分かるような気がします。

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