サイキックディテクティヴシリーズ4 オルゴール

サイキックディテクティヴシリーズ4 オルゴール

『オルゴール』は1991年にFM-TOWNS用として、
データウエストから発売されました。

サイキックディテクティヴシリーズの4作目で、
個人的にはシリーズで最も好きな作品になります。

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<概要>


優れたグラフィックと独特な世界観が特徴的なコマンド選択式ADV、
サイキックディテクティヴシリーズの4作目になります。

主人公は共通していますし、シリーズ全体では一応話がつながっているものの、
その中にあって本作は、少し番外編的な位置付けにあります。
そのため、シリーズの他作品をプレイしていなくても、
つまり本作だけプレイしても特に問題はないでしょう。
今からシリーズものをプレイすることに躊躇している人がいるならば、
本作だけプレイしてみるというのもありだと思います。

少し歴史的な流れから入りますが、
コマンド入力式のADVからコマンド選択式のADVへと、
80年代半ば頃からADVの主流は移行していきました。
それに伴い、攻略重視から物語重視へと変化していったのです。

そして物語重視になるにつれ、
当然のごとく物語を盛り上げるための演出も強化されていきました。
簡単にいえば、アニメーションの追加や音声の追加ですね。

とはいえ当時のPCは性能が低く、
アニメや音声を違和感なく入れるのは困難でした。
ましてや、それを同時に再生する事なんかはね。

そして初めてPC上でアニメと音声を同期させることに成功させたのが、
データウエストから発売された、
サイキックディテクティヴシリーズの3作目である『AYA』だったのです。
その『AYA』の次の作品が『オルゴール』であり、
アニメと音声による演出に更に磨きがかかりました。

データウエストはこのアニメと音声を滑らかに再生させるために、
DAPSと呼ばれる独自のシステムを構築していました。
これはいわゆるゲームシステムではなく、
プログラム的な意味合いでのシステムということですね。
『AYA』の発売以降、他社でもアニメと音声を入れた作品は出ています。
しかし動きが重かったりして、
サイキックディテクティヴシリーズとは雲泥の差でした。
つまりはPCが進化したんじゃなく、
データウエストが優秀だったんだなって実感したものです。
このDAPSがあったからこそ、
データウエストは他社より優れた演出に成功できたのです。

サイキックディテクティヴシリーズはマイナーな機種で発売されたため、
それでもADVファンなら知っている人も多いかもしれませんが、
そうでない人には縁が薄くなるだろうし、
どうしてもシリーズの全体における知名度は低めになってしまいます。
PC-88でADVが全盛を誇った80年代半ばまで。
また、92年以降は『同級生』らでアダルトゲームがヒット。
その間がまるで何も無かったADV暗黒期みたいに扱っているのを、
ときどき見かけます。
しかしTOWNS等マニアックな機種に活躍の場を移しつつも、
そこでADVは確実に進化してたし、名作も生まれていたのです。
サイキックディテクティヴシリーズも、もちろんその中の1つに含まれます。
中でも代表作である『オルゴール』は、
この当時のADVの頂点に達した作品と言っても決して過言ではないかと思います。
それ程までに優れた作品だったと、私は思いますね。

<ゲームデザイン・ストーリー>


さて、少し具体的な中身に入りますが、
ゲームシステムはコマンド選択式のADVになります。
ゲーム部分に限ってみるならば、普通といったところでしょうか。
もっともシリーズ過去作は面倒な作りですし、
シリーズの後の作品は簡単すぎますので、
個人的には本作くらいでちょうど良いバランスかなと思いますけどね。

サイキックディテクティヴシリーズはサイコメトリー、
即ち相手の深層心理の中にダイブして、
対象の精神世界が舞台になることが多いです。

しかし本作ではお婆さんから依頼を受け、
招かれて向かった先の洋館が舞台となり、
いわゆる館ものになると共に、ホラー要素が非常に強くなっています。
その点でシリーズ他作品と趣を少し異にしますし、
隔離された舞台で他とのつながりがないことから、
シリーズのなかにあって外伝的雰囲気になるのです。

だからシリーズの熱狂的なファンにはどうなのか分かりませんが、
個人的な印象としては、外伝っぽいところがかえって良い方向に転がり、
即ちシリーズの他作品に引きずられずに済み、
単独作品としての高い完成度にもつながったように感じました。
シリーズで1・2を争う人気をほこっている理由は、
きっとこうした点にもあるのでしょう。

<グラフィック・サウンド>


グラフィックはもう、最高としか言えないかと。
当時のデータウエストは、演出面に関しては群を抜いてましたから。
ただ、その技術の使い道には問題があったかもですがw

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というのも、このシリーズは結構グロイ描写が多かったのです。
そしてそのグロイシーンのどれもが、アニメーションで動くのです。
「見よ、この技術の凄さを」っていっても、
グロシーンばかりじゃ他人に薦められないし、
おそらく喜ぶ人も少ないでしょう。

まぁ、私は好きだったんですがねw
最近のテキストだけグロくて絵のないチキンな一部のアダルトゲームには、
爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいです。

音声ももちろん入っています。
かなり棒読みっぽいですが。
でも当時は音声のあるゲームが非常に少なかったですから、
音声があるというだけでも特徴足りえました。
更に加えるなら、本作の独特の雰囲気には、
この棒読みっぷりすらも逆に不気味な雰囲気を醸し出しているようで、
良い味になっていたかと思います。

<総合>


結論に関しては少し先取りして書いてしまいましたが、
総合でも傑作と呼べる作品でしょう。

当時最高レベルの技術で繰り出される、グロ。
91年の頂点に立ったといっても過言でないADVですからね。
WIN用リメイクもあるので、ぜひ試してもらいたいものです。

ランク:AA-(名作)

オルゴール

Orgelオルゴール

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