Grim Fandango

Grim Fandango

『Grim Fandango』は1998年にWIN用として、
Lucas Artsから発売されたADVです。

windows以降世界中で1・2を争うほど高評価を得た作品、
それが『Grim Fandango』でした。

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画像を見てもらえば分かると思うのですが、
舞台は死後の世界で主人公は死神に近いような存在です。
私はメキシコ神話には詳しくないのですが、
どうやらメキシコ神話の色彩が濃いようでして、
それにノワールが混ざったような世界観でした。
また、独特な世界観も非常に秀逸で、
ファンタジーとしても一級品だったかと思います。

ただ、世界観が独特すぎるために興味を持てない人もいたのか、
プレイした人たちの異常なまでの絶賛とは反対に、
思ったよりもセールスは伸びなかったようです。

『Grim Fandango』を作ったルーカスアーツはADV市場では老舗中の老舗ですが、
続編物でない完全オリジナルのADVはこれが最後だったりします。
もうルーカスアーツの完全新作ADVが出ないかもと思うと、
残念で仕方ありませんね。

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さて、本作はルーカスアーツ作品ってことで、
基本的なストーリーラインはいつも通り抜群です。
しかも続編物も多い中で今回はオリジナル物ですし。
で、上に書いたように世界観も良いわけですしね。

でも、それだけでもないんです。
半生記物と言うとちょっと大げさかもしれませんが、
ゲームは次の年に飛んだりして年度をまたいで進行します。
ADVは基本的に、主人公のある1期間だけを舞台にしたものが多いです。
それを踏まえると、本作のような年単位で進行する設定はとても個性的に思え、
余計にも私は惹かれるんですよね。
国内では2006年に『EXTRAVAGANZA』というゲームが発売されましたが、
『Grim Fandango』発売時にはまだ存在していませんし、
何れにしろこういうのは絶対数が少ないですからね。
私の評価は高くなりやすいです。

かように、本作は世界観・ストーリー共に素晴らしいものでした。
もっとも世界観とストーリーだけなら、
トップクラスには位置してもナンバー1とまでは言えないと思います。
この部分に限ってみるならば、私もTLJやsanitariumを支持しますし。

しかし、物語は世界観やストーリーだけでなくキャラの良さも大事です。
本作はとにかくユニークでユーモア溢れるキャラが一杯いまして、
キャラ同士の掛け合いだけでも十分に楽しめます。
ルーカスアーツはコメディ系を得意としていましたからね、
これは面目躍如といったといったところでしょうか。

世界観・ストーリーだけでなくキャラまでも抜群に良い。
ここまでくるとお見事としか言いようがないですね。
物語部分全てをトータルして考えると、
やっぱり本作が最高なのかなと思ったりもします。
『Grim Fandango』が世界中で大絶賛されているのも、
こういうところからくるんでしょうね。

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ところで、このADVにおける世界観というのは、
えてしてグラフィックの質とも比例します。

『Grim Fandango』はCGを背景に、3Dのポリゴンでできたキャラが動く構造でした。
メキシコ神話の影響を受けた世界観と死後の世界にノワールと、
CGを見ているだけでも全て伝わってくるかのように優れていました。
CGの質は、98年の段階では最高水準にあったでしょうね。

まぁ、ルーカスアーツが作る時点で、
CGやムービーが最高峰にあるのは当然予想できたところでしょう。
グラフィック面で問題が生じそうなのは、
むしろポリゴンで作られたキャラの方だったでしょうね。
何せ、当時のポリゴン技術はまだそんなに進んでいませんでしたから。
例えばFF7なんかもCGやムービーは凄かったけど、
ポリゴンキャラは人形みたいに味気ないものでしたからね。
この当時でポリゴンキャラを用いるというのは、
意欲は評価できても同時に危険性もはらんでいたかと思います。

しかしながら、ここは設定が功を奏しましたね。
本作はガイコツとかそんなキャラばっかりなので、
カクカクポリゴンでも全く違和感がないのです。
ファミコン時代の『キャプテン翼』なんかと同じ感じで、
キャラと技術力が上手くマッチした作品だったのです。

また、単に綺麗なだけでなく、良く動き回りましたね。
ここはさすがにルーカスアーツ製なだけはあります。
もちろんフルボイスでしたから、動きまくりのしゃべりまくりでした。
総じて、グラフィック・サウンド等演出面は完璧でしたね。
当時の国内のADVは全く比べ物にならない出来でした。
ってか、国内のアダルトゲームなんかは、
10年経ってもこの域に達してないような・・・

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というわけで、もうここまでなら文句のつけようがありません。
これでルーカスアーツが得意とするP&C系のADVだったならば、
おそらくAAA+まで付けていたでしょう。

しかし、残念なことに本作は3D・ADVだったんですよね。
従来のP&C系ADVは、画面全体をクリックして楽しむことが出来ました。
しかし本作は3Dのキャラを直接動かすタイプのゲームで、
介入できる箇所も主人公の手の届く範囲に限られてしまいました。
実質的な行動範囲が、大幅に制約されてしまったのですよ。
他に新しいシステムがないことも含めると、
ゲーム性自体はこれまでのルーカスアーツ作品よりも、
大幅に後退したとしか思えません。

それでも介入できるところでの出来は良いので、
普通のADVよりはずっと遊べます。
でも、やっぱり最高傑作と呼ばれる作品にしては物足りないですよね。

関連して、本作は操作性もイマイチでした。
もともとはPCで発売されたのですが、こういうスタイルのゲームは、
コンシューマーでコントローラーを使用した方が遊びやすいです。
PCでのプレイを前提としているとは言い難く、少々ストレスがたまったものです。
気にしない人は気にしないだろうし、細かい話かもしれませんが、
私は物語にあったシステム、システムに合ったハードというのを、
殊のほか重視する場合があります。
その部分が今回はちょっと足らなかったのかなとも思うんですよね。

ADV史上の最高傑作と誉れ高い本作。
大部分では同意できる点もあるのですが、肝心要のゲーム部分が災いして、
個人的にはそこまででもないかなって感じでした。
とはいえ、傑作であることには違いなく、
ルーカスアーツの作品では一番好きな作品でしたね。

ランク:AA(名作)

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