DE・JA

DE・JA

『DE・JA』は1990年にPC-98用として、
エルフから発売されました。

エルフ及び蛭田作品の中でも、
シナリオ重視ADVの代表作と言えるゲームですね。

DE・JA

<はじめに>


90年代前半、一般PCゲーム等ではADVが激減してしまいました。
そのADVの危機(?)を救ってくれたのは、
エルフであり、蛭田さんなのだと思っています。
蛭田さんの数々の作品により、日本のADVも様々な可能性ができたと。

そのエルフのADVには、特色が幾つかあります。
斬新な試みがなされた作品が多いこともそうなのですが、
新しいシステムだけではなく、他にも蛭田節と呼ばれる、
蛭田さん独特のテキスト及びストーリーがあります。

この傾向が見て取れた最初の作品は、
かつて紹介した『リップスティックアドベンチャー』です。

しかし『リップスティックアドベンチャー』では、
既存のCGを再利用もありました。
まぁ、それはほんの一部であり、
グラフィックという観点からは大したことでもないのですが、
もっと重要なことは既に用意された世界観を利用したということで、
ゲームとしてはどこか制限をかけられた様な雰囲気もあったのです。
ストーリーや攻略に関係ない場所もありましたからね。

この人にもっと自由にゲームを作ってもらいたい。
そう思った人も少なからずいたのでは?

『DE・JA』の説明として簡単かつ否定的に説明するならば、
『リップスティックアドベンチャー』を冒険物に置き換えたやつ、
って言うことも可能でしょう。
まぁ実際、雰囲気はそうだしね。

でも『リップスティックADV』で制限による違和感を感じた人には、
自由に設計された本作は待望の作品だったんじゃないかな。

蛭田さんのライターとしての魅力を余すことなく存分に発揮した。
そういう意味ではこれが初めての作品であり、
蛭田ファンならばやってみなければならない作品の
1本なのではないでしょうかね。

<ストーリー>


さて、もう少し具体的に見ますと、根本となるあらすじはこんな感じです。

古い格式や定説などにはとらわれない斬新な見解を持つ考古学者が主人公。
そんな彼のファンであるという一人の老紳士が
一本の古びた「杖」を持ちこんでくるところからストーリーが始まる。
何やら不可思議な文字が刻まれた、いわくありげな杖。
しかも老紳士の話によると、
その杖を持つ者は「謎の金髪美女の夢」を見るという。
考古学者としての血を燃やした主人公は、
杖に隠された謎を解明するために調査を開始するのだが、
その矢先、依頼人である老紳士が交通事故により亡くなってしまうのだった。
しかも憎き日本考古学学会理事長 ・日向もまた
「杖」を狙っていることを知り……。
「杖」に隠された何重もの謎を解いたとき、
それはミステリアスな秘境へと導く鍵となる!

ストーリー自体も、当時としては抜群の出来でしたね。
たまに、CGを見ることが主目的だったアダルトゲーム業界において、
『同級生』の登場によりストーリー性のある作品が出てきたと、
そんな評論を見ることがあります。
しかし、それは私からすれば、完全な誤りでしかありません。
イベントの集合体である『同級生』に「ストーリー」はないのです。
そのことは蛭田さん自身も言っていますし、
ストーリーのないゲームでストーリー性を重視する動きが発生というのは、
完全に矛盾していますよね。
まぁ、感動するイベントや優れたシナリオがあるのは確かですが、
それらと一緒にしてはいけません。
そもそも蛭田さんのシナリオを堪能しつつストーリーも求めるのなら、
真っ先に出てくるのが『DE・JA』シリーズだと思うのですけどね。
他にもアイデスでストーリー性を重視した流れがありますし、
『同級生』を起点に語るのは何も知らないとしか思えません。
少し脱線してしまいましたが、エルフでストーリー性重視なら、
92年の『同級生』を待つまでもなく、
90年の時点で既に本作があったと言いたいのです。

また、ストーリー以上にキャラが魅力的でしたね。
主人公が考古学者ってこともあり、登場人物の年齢は高めになっています。
当然他の登場人物も年齢は高めで、大人なんです。
これは単なる形式上の年齢の話に終わるのではなく、
精神年齢や考え方という面にもあてはまります。
こういうキャラたちは良いですね~
近年多い学園物とかやった後にやるとね、妙に落ち着くんですよ。
まぁ、がちゃ子とかつけるネーミングセンスはアレだったけどw

<グラフィック>


画質自体も当時としてはまぁ高水準の方かと。
(ちなみに、上の画像は私のミスで画質が大幅に劣化しているので、
参考になりません。)
また画面上でちょこちょこっとした部分アニメが入り、
プレイヤーを飽きさせませんでした。
これによりコマンド選択式というシステムでも、
同じコマンドばっか繰り返すのメンドクセって事態は緩和されましたし。

<ゲームデザイン>


ゲームシステムはコマンド選択式のADVになります。
システム面では特別なところはありません。
基本はストーリー重視ってことですね。

ただ、蛭田さんはADV作りの上手い人でしたから。
コマンド選択式を作るにしてもテキストの変化であるとか、
グラフィックの変化であるとか、
ユーザーを飽きさせないように上手く作っていました。
その辺が他のクリエイターと違う部分でもあるんですよね。

<感想・総合>


アイデスから独立しエルフを作った蛭田さんの、
初めての本格的なADVである本作。
今ならマルチパックでプレイできるので、
それで過去の名作に触れてみるのも良いかもしれませんね。

ランク:AA-(名作)

DE・JA マルチパック

関連するタグ PC98 /ADV /コマンド選択式 /


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