ひまわり

ひまわり

『ひまわり』はWIN用のノベルとして、
ぶらんくのーとから発売されました。

ストーリーが非常に優れた本作。
自分が求めていたのは、これでした。

himawari022.jpg

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
2048年8月23日――高々度旅客機SA-DAN080型墜落事故。
2年前に起きたその事故は、僕からすべてを奪っていった。
例えば、僕の両親。
例えば、僕の記憶。
だけどそのことを悲しいと思ったことは一度もない。
僕の側には、明香や部長がいる。
個性的な仲間に囲まれて、毎日が楽しかった。
事故の悲惨な経験など、すっかり忘れていた。
・・・そう、思っていた。
星の名前を持つ少女が、空から落ちてくるまでは。

<感想>


プレイ時間はおおよそ15~20時間。
システムは極めて良好、痒いところに手が届く感じ。
音楽はフリー素材らしいけど、適材適所?
下手なゲームよりよっぽど良いです。
演出面も頑張ってますね。
それでいて値段は1300円。
商業作品でないことから音声は付いていませんが、
このコストパフォーマンスの高さはそれを補って余りあるでしょう。
この価格は本当に驚きです。

ストーリーは正統派(?)なSF物でしょうね。
よく伏線が凄いっていうADVをプレイすると、
何か意味不明な事を言ったり事実を伏せまくったりで読んでて意味不明、
そんで最後にまとめてネタばらしっていうのが多いです。
それは伏線がどうのっていうんじゃなく、
単に伏せてるだけでしょ~みたいな。
自分は、そういうのに違和感があって好きになれないんですね。

その点「ひまわり」は、基本的にすんなり読めます。
で、プレイを進めるにつれ、
なるほど~あれも伏線だったのかと思うわけです。
これは上手いなと思いましたよ。
しかも最後にまとめてバンって形ではなく、
少しずつ解消されていきます。
ここまでキッチリ構成されたADVは、ここ数年ではまずないでしょう。

物語について思うのは、
大学生よりも社会人とかの方が楽しめるのではないでしょうか。
学生時代楽しかった、夢を持っていた、でも今その夢が順調ではない。
そういう人の方が、ずしりとくる気がします。

また年齢的にも、
80~90年代のSF作品とかを楽しんでた人の方が相性が良いと思いますね。
SF好きならきっと楽しめるかと思いますよ。

因みに、パッケージにある「ロリっ娘宇宙人同棲ADV」ってのは、
これは偽りありかな。
これを期待しては駄目ですよw
一見アリエスがヒロインっぽいけど、
比重は圧倒的にアクアにありますから。
何より本作は萌えゲーではなく、完全にストーリーゲー、
しかもシリアス路線の作品なので、
その点は購入前に把握しておくべきだと思います。

himawari023.jpg

そういうわけで、ストーリー的には非常に満足しました。
ただ私見ですが、「ひぐらし」みたいな流行はないでしょう。
文学のように人間を書く事と、
ラノベのようにキャラを書くことは違います。
自分もラノベ好きなのですが、
どっちが優れてるとかではなく方向性が違うのです。
最近のADVの物語はラノベ化していて、ファン層も重なってます。
「ひぐらし」のヒットもあの個性的なキャラがいてこそでしょう。

でも「ひまわり」には、記号化されたキャラはあまりいません。
一見馬鹿そうでも、皆常識的な観点から笑い、泣き、
そして苦悩するのです。
そして、その登場人物たちが時の変遷に伴い、
何を考えどう行動していったかを楽しむゲームなんです。
クリアした後には、時系列なんか作りたくなる人も出てくるでしょうね。

こうした作品は90年代のオタクや、
今の流行路線と異なる物を求める人には向いているでしょう。
でも、今の売れ線とは方向性が違っています。
だから一部で熱狂的に支持されても、
今のオタに熱狂的に歓迎とはいかないと思うのです。

<総合>


長年ゲームをやっていると、
当然のように自分にとってのベストと呼べる作品も出てきます。
それを毎回比較対象にしていては、ゲームは楽しめなくなります。
なので自分は、新しい可能性・新人を求めるようになりました。

しかしながら、昨今はどれも似たり寄ったり。
次の作品がプレイしたくなる新人を見ることも、少なくなってきました。
『ひぐらしのなく頃に』には期待したんですけどね。
実際面白かったことは確かだし、自分も最後まで楽しめました。
でも、結局最後は今の流行り路線にひよっただけとも言えますよね。
流行り路線とは違うものを求めて最初から応援してた人たちで、
最後にガッカリした人って少なからずいたのでは?
まぁ、今の主流派を取り込めたのだから、
商業的には間違いなく成功だったんでしょうが。

自分がひぐらしに求めて、そして得られなかったもの。
それが、この作品にはある気がします。
同人では『月姫』から7年ですか、長かったですね。
SF物としても、『マイ・メリー・メイビー』以来ですし。
実に久しぶりの掘り出し物と呼べるノベルでした。

伏線の張りまくった濃厚なストーリーは圧巻であり、
90年代までのSF作品なんかが好きな人、
時系列に沿って年表を作ってしまいたくなるような人には、
ぜひともオススメの作品なのではないでしょうか。

単純にストーリー・シナリオだけで考えた場合、
男性向けアダルトゲームで本作より優れた作品は、
以後発売されていないようにすら思えるわけで、
それくらい凄いと思った作品でした。

ランク:AA-(名作)

ひまわり[初版/横絵3人パッケージ版]

ダウンロード版
ひまわり dl

関連するタグ WIN /ADV /ノベル系 /


面影レイルバック   美少女万華鏡 -罪と罰の少女-  鬼と花妻
カテゴリ「2007」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/1472-280b3a33
| ホームへ戻る |