英雄伝説3 もうひとつの英雄たちの物語 ~白き魔女~

英雄伝説3 もうひとつの英雄たちの物語 ~白き魔女~

『英雄伝説3 もうひとつの英雄たちの物語 ~白き魔女~』は、
1994年にPC98用として日本ファルコムから発売されました。

いわゆるガガーブトリロジーの1作目。
当時最高のRPGとして絶賛されてたのが、『白き魔女』でしたね。

白き魔女

<概要>


ゲームジャンルはRPGになります。

あらすじ・・・
人があらゆることに感謝を忘れなかった時代。
ティラスイールという世界があった。
フォルティア、メナート、チャノム、アンビッシュ、
ウドル、オルドス、フュエンテ、ギドナ。
8つの国からなる世界は、その周囲を大蛇の背骨と呼ばれる険しい断崖と、
ガガーブと呼ばれる巨大な裂け目により分断され、
外界との繋がりは未だなかった。
むろん、海原を渡り未知の世界を目指す者もいたが、
人々はまだ、長い航海に耐えうるだけの技術を持たず、
沈黙の海で帰らざる者となった。
未知なる世界に囲まれた土地、それがティラスイールだった。

<ガガーブトリロジー>


本作については、若干事前説明が必要でしょうか。
ファルコムのゲームはたくさんあるのですが、
その中でも木屋さんが作った作品をドラゴンスレイヤーシリーズと言い、
そのシリーズの中に『英雄伝説』があります。

その英雄伝説が好評でシリーズ化され・・・、
といっても2作目で一区切り。
そしてシリーズ3作目として発売されたのが、
この『白き魔女』なのですが、
完全に仕切りなおしなので2までとは全く関係ありません。
したがって、本作からのプレイで全く問題ありません。

尚、この『白き魔女』と後発の『英雄伝説4 朱紅い雫』、
それと『英雄伝説5 海の檻歌』の3作品は、
同じ世界を舞台にしていることもあり、
3つ併せてガガーブトリロジーと呼ばれています。

もっとも、ガガーブトリロジーと呼ばれ出したのは後の話で、
確かPC98版の『朱紅い雫』の頃まではなかったと思います。
そのため、両作品の関連性も当初は薄かったのですが、
WIN版へのリメイクにあたり、
ガガーブトリロジーとしての側面を強化する意図で、
3作品の繋がりが強化されています。

ガガーブトリロジーの中では『白き魔女』の発売は最初ですが、
時系列的には『白き魔女』が最後になります。
そのため、シリーズのどれからプレイすべきかって話も聞きますが、
素直に3→4→5で良いかと思います。

<ストーリー>


さて、『白き魔女』は多くのプレイヤーが感動しただけでなく、
それ以上に多くのクリエイターたちにも、
多大な影響を及ぼしたと聞きます。

この『白き魔女』には、
魔王のような世界の破滅を目的とする悪のラスボスはいません。
主人公であるジュリオとクリスという、
少年少女の巡礼の旅の物語なのです。

今でこそRPGにも、いろんなパターンの物語が存在します。
しかし当時は、魔王を倒して世界の平和を取り戻せみたいな、
そんな作品ばかりだったわけでして。
(まぁ、アダルトゲームのRPGは除きますけど。)
とにかく一般ゲーのRPGで、世界の平和を取り戻す目的とかがない、
そんな目的に捕らわれないという作品は存在せず、
それだけに本作の存在は斬新であり、
多くの人に影響を与えたということなのでしょう。

ティラスイールを巡って、
各地の「シャリネ」と呼ばれる祠にある魔法の鏡を見て回る。
このように本作は、「旅」自体が目的なんですよ。
ゲーム自体は一本道なはずなのに、
各地でのイベントによってジュリオとクリスの歩みが思い出として刻まれ、
本当に旅をしているかのような錯覚に陥ります。

それだけでも満足できますが、そうでないのが『白き魔女』の凄い所。
ジュリオとクリスが旅をする過程で、
少しずつ「白き魔女ゲルド」の話が耳に入ってきます。
彼女は20年前にティラスイールの各地を巡礼した最後の魔女で、
数々の予言を残した後に姿を消します。
ある村では村の現在の苦境は彼女の呪いのせいだと言い、
ある者は彼女のおかげで助かったという。
はたして、「白き魔女」とは一体なんだったのか、
巡礼の旅にはどういう意味があるのか。
ゲームは「白き魔女」の軌跡を辿るように進んでいき、
やがて少しづつ彼女の本当の姿が判明していきます。
何ともゾクゾクしたものです。

ちょうど宮部みゆきさんの『火車』を読んだ頃でしたからね~
段々と分かってくる感じが似てるかも・・・

ここまでで分るように、本作には魔王がいないだけでなく、
主人公らも普通の少年でしかありません。
いわゆる典型的な英雄ではないんですよね。
剣豪や賢者ではないですから。
他の人たちも、ごく普通の人たちが日常を営んでますし。

でも、このゲームには英雄伝説ってありますよね。
それは飾りではなく、エンディングに深い意味がある気がします。

「なんで、偉い魔導士だったことを隠していたのさ?」
「剣の腕だとか、魔法の強さだとか、
そういうことが英雄の証だった時代は終わったのだよ。
これからは、白き魔女のような人物が英雄にふさわしいのだ。」

英雄というのもいろんな形があるんですよね。
ジュリオやクリスと共に旅路の過程を楽しみ、
エンディングを迎える頃には、
白き魔女ゲルドの真相を知り深く感銘を受ける。
実に良く練られたストーリーでした。

今までのRPGにはない作風&完成度。
ストーリーにおいては、斬新さと共に高い完成度をほこっていました。
それこそが当時最高と言われた所以なのでしょう。

<キャラ>


かように最大の特徴はストーリーとなるのでしょうが、
ストーリーだけでなく、ジュリオやクリスといった、
個々のキャラたちが凄く魅力的でしたね。
キャラに関してはファルコムでも随一かも。
ジュリオとクリスが一緒にいる画像は、
昔は壁紙に使用していましたし、今でもお気に入りです。

sirokimajo01.jpg

<グラフィック>


『白き魔女』はファルコムの作品なだけあって、
グラフィック・サウンドといった演出面は完璧でした。

PC88時代に比べるとそうでもないって意見もあるけれど、
それでもやっぱりPC98時代の終わりまでは、
ドット絵のキャラとサウンドに関しては日本一だったんじゃないかな。

PCのディスプレイで緻密に動くドット絵のキャラたちを見ると、
芸術にすら思えてきます。
ドット絵はやっぱPCに限りますね。
家庭用ゲーム機のRPGでは画像が粗く、
細かい動きなどの点で、どうしても見劣りしますから。

<ゲームデザイン>


そんなわけで一見完璧な『白き魔女』。
しかし、戦闘だけは駄目駄目でした。

完全にオート戦闘なんですよね。
あらかじめ出した指示によって勝手に動きます。
指示を臨機応変に変えることもできますので、
ある程度は何とかなりますが・・・
それでも、AIが馬鹿すぎて話になりません。
イラっとくることもしょっちゅうでした。
私の最終バトルなんて半ば笑い話ですし、
ここら辺は語りだすと長くなるのでもう止めときますw

<感想・総合>


私はRPGの評価においては、
プレイ時間の大半を占める戦闘部分も重視します。
そのため、巷での評判みたいに最高のRPGとまでは思えませんでした。

しかし、ストーリーやキャラ、グラフィックやサウンドは最高であり、
その点を重視する人が本作を最高のRPGと評するのならば、
その気持ちも十分に納得できる作品でした。

評価以上に好きな作品でもあり、
ジュリオやクリスらとまた旅がしたいなと、
何年経っても思い出される、非常に印象深い作品でしたね。

ランク:AA-(名作)

リニューアル 白き魔女

DL版
白き魔女


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このゲームは、感動とやるせなさの同居した素晴らしいゲームでしたね。

白き魔女の足跡をたどるようにゲームが展開されますが、その足跡にはちゃんと現代を生きる人が居るんですよね。
その人が語り手になって、主人公達に今を見せる。
誰も彼もが藻掻いて、それでいてその時の最善を選択して、善悪さえ超えて行動した足跡。

日本人的に、これだけ尽くしたのだから、これだけ頑張ったのだからと思っちゃうんですけど、現実は非情でそこもきっちり見せてくれました。

いや、モノクロ画面に一瞬切り替わって、魔女さん刺されたとき時とかもう、やるせないのなんのって(笑)

>私の最終バトルなんて半ば笑い話ですし、

これ、最終戦何時間で倒せました?
私、PC98版発売日組だったんですが、10時間かかりました(笑)
ほったらかして寝て、起きてもまだ続いてたときは爆笑しましたね。
で、朝シャンして飯食って、ふと見たら丁度勝ちました。

自分で操作出来たら多分5分です(爆)

> このゲームは、感動とやるせなさの同居した素晴らしいゲームでしたね。

本当に素晴らしい作品でした。

単に白き魔女の後を追いかけるのではなくて、ジュリオとクリスの巡礼の旅という部分をしっかりと描き、そこで出会う人々をきちんと描いていたからこそ、過去と現在の対比がより鮮明になり、作品の魅力が増していったのでしょうね。


>私の最終バトルなんて半ば笑い話ですし、

時間は測ってないですが、とにかく長かったですね~
確か時間がかかりすぎて、一度諦めて再チャレンジしたはず。

名前が思い出せないのですが、ラスボスって、周りに回復役の小さいのが飛んでいましたよね。
私がプレイした時、やっとボスを倒して、やったと思ったら、その小さいのがボスを復活させたわけでして。
そして以後、延々とその繰り返し・・・
自分で操作できたら、まっ先に周りの回復役から潰すんですけどね。AIがお馬鹿すぎて、こちらの意図を理解してくれなくって。小さいのをガン無視で、ひたすらボスばかり狙うものだから、ボスを倒しても倒しても何度も生き返っちゃうのです。そんなゾンビみたいな扱いのボス初めてだし。
結局、何度も同じことを繰り返した後、ボスが死んだ直後に、その小さいのに催眠の魔法をかけて、その小さいのが眠って塔の下にひらひらと落ちていって、それでラストバトル終了でしたからね。最後の何とも間抜けであっけないことw

ストーリーと戦闘、良い面でも悪い面でも印象深い作品でしたね。

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