真説・神谷右京 ~象牙の塔~

真説・神谷右京 ~象牙の塔~

『真説・神谷右京 ~象牙の塔~』は1997年にWIN用として、
ALTACIAから発売されました。

藤堂信昭氏によるセミフィクションシリーズの中の代表作になります。

象牙の塔

昔はよく世界名作劇場を見ておりました。
まんが日本昔話も欠かさず見ておりました。
年をとるにつれ、次第に見ることが無くなっていったのは確かです。
でも自分が見なくなったとはいえ、名作は名作。
まだ知らない人たちのためにも、ずっと残してもらいたい作品でした。
お前も含めて見る人が減ったから、
だから放送も無くなったんだろって言われると辛いけれど、
それでも放送が無くなると聞いたときは悲しい気がしたものです。
身勝手な想いかもしれないですけどね。

神谷右京シリーズをご存知でしょうか?
PC-98の後期からWIN時代の初期にかけて発売されていたシリーズです。
全部で6作品でしたっけ(ちょっと曖昧でスミマセン)。

原作者である藤堂信昭さんが弁護士として自分が実際に扱った事件を元に、
関係者の了解も得た上でそれをゲーム化したシリーズであります。

ゲーム化ということでフィクション部分もありますが、
根本的な部分はノンフィクション、実際にあった話です。
というか、98版は半分がフィクションで、
WIN版はほとんどをノンフィクションにして作り直したんですよね。
フィクションとノンフィクションの間ということで、
セミフィクションって言われてましたっけ。

最近の泣きゲーのようにあざとく泣きを誘う劇的な展開はありません。
ある意味、とても地味です。
しかし、一つ一つの言葉を噛み締めるほどに、
じわじわと心を締め付けられる気がします。
実際にあった事件に対し関与した本人が語るのですから、
その説得力も重みもまるで違います。
題材が題材だけに、法や正義とは何かという点も当然絡んできます。

地味ではあるけど、本当に素晴らしい作品でした。
大げさな展開や設定のいい加減なゲームが絶賛される今だからこそ、
こういう地に足が着いた本物の作品が市場には必要なのだと思います。

しかし、現実には新作は途絶えたまま。
これには萌え路線が主流になるにつれ需要が減っていった事も、
きっと大きく影響しているのでしょう。

私自身も派手なストーリーや可愛いキャラ、
斬新なシステムを高く評価しがちです。
特にこの当時は流行路線の作品も大好きでしたからね。
なので、こういう地味だけど本物の作品を評価することも、
普及に貢献することもあまりできませんでした。

でも例え少数でも、こういう作品が市場にずっと残っていて欲しかった。
私のような人間が今更そう願うのは身勝手なのかもしれません。
でも何と言われようとも、その気持ちもまた確かなのでして。
予定のままで終わってしまった『象牙の塔』のリメイク。
いつの日か発売されることを待ちたいものですね。

さて、その『象牙の塔』は昭和58年に施行されたサラ金規制法と、
それにまつわる事件を題材に展開されます。
本当にリアリティのある説得力のあるストーリーが好きな人は、
きっと今やっても楽しめるでしょう。
派手な展開を望むと肩透かしにあうかもって点と、
主人公が親父くさい点は人を選ぶかもしれないですけどね。

シリーズとして何作も発売されているし好みもあるでしょうが、
基本的には『真説・神谷右京3~Missing Link~』と、
本作の2本の評価が高かったでしょうか。
あとは原作者が最も書きたくなかった事件という事で、
興味のある人は『真説神谷右京~贖罪~』もおさえておくべきでしょうね。
とりあえず今回は、
諸々の事情を考慮した上で本作を紹介しておきますけれど。

また本作では、親切な試みもなされていまして、
右クリックをすると関連情報を見ることができました。
法律用語とか専門的な話が一杯出てきますからね、
馴染みのない人にはテキストが結構難しかったりします。
それを補完する意味で、このシステムはありがたかったですね。
(まぁ、法律用語は解説があっても尚難しいとの意見もありましたけど)

グラフィックは実写取り込みの背景に、2Dのキャラが使われていました。
これはこれで上手くマッチしていたとも思いますが、
地味な上に今うける萌え要素はないですね。

何度も言いますが、派手さは一切ありません。
それはストーリーだけでなく、
システムやグラフィック等の他の部分に関してもです。
私の好みとも若干ズレるので、
当時の私が付けた評価としてはA-止まりです。

でも、この作品はまさしく本物です。
この評価は、単に当時の私に見る目がなかっただけなんでしょう。
こういう作品こそ多くの人にプレイしてもらいたいし、
評価する人がもっと増えて良いと思うのですよ。

ランク:B(良作)

象牙の塔

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