魔剣士KUMIKO

魔剣士KUMIKO

『魔剣士KUMIKO』は1988年にPC88用として、
SYSTEM HOUSE OH!から発売されました。

内山亜紀のセクシーボイスシリーズと題して発売された三部作の一つになります。

魔剣士KUMIKO01

<概要>


内山亜紀さんというのは、当時の有名なロリコン漫画家だそうです。
あまりそっち方面は詳しくなかったので、
私自身は名前だけ聞いたことがある程度でして。
そのため、どんな作品があるのか分からないのですけどね。

その内山亜紀さんのセクシーボイスシリーズとして、
3本の作品が発売されました。
『堕天使KYOUKO』『魔剣士KUMIKO』『媚少女NORIKO』で、
『魔剣士KUMIKO』はシリーズ第2弾になるとのことです。
もっとも、どれも88年の12月発売ですので、
あまり順番に意味はないかもしれませんけどね。
同時期の発売なのでどの作品を選んでも良かったのですが、
『魔剣士KUMIKO』が3本の中では相対的に面白かったかなということで、
今回は『魔剣士KUMIKO』を選んでみました。
でも基本的にどれも似ていますので、
説明をしだすと、どれも一緒になってしまうのですけれどw

<ストーリー>


ベッドで一人Hをしていたクミコが、気付くと荒廃した異世界に飛ばされ、
怪物に襲われるのだが・・・ってシナリオなのですが、
正直なところシナリオはあってないようなものです。
それでも3本の中ではマシなのですが、
何にせよシナリオに期待すべき作品ではないですね。

<ゲームデザイン>


だからシナリオ重視の人は絶対楽しめないのですが、
本作はアダルトゲームの歴史を振り返る点では結構興味深いと思うのです。

まずゲームデザインですが、本作はノベル系のADVになります。
画像を見て分かると思いますが、
今と同じように下3行ほどのテキスト欄にテキストが表示され、
テキストを読み進めるとたまに選択肢が登場します。
そして選択肢を選ぶことで進行するのですが、
展開によってはゲームオーバーになります。
一応殺され方とかが異なりますので、マルチエンドとなるのでしょうか。
やっていることは今のノベルと一緒ですので、
しっかりしたコマンド選択式が好きだった昔の私には物足りなかったですが、
コマンド選択式の欠点である総当り的なものはありませんので、
逆に今でもストレスなく楽しめるのかなと。

システム面で一つ指摘しておくならば、
この時代にもPCゲーではノベルゲーが存在するのであり、
何もコマンド選択式ばかりではないとの証明になるということです。
もっとも、この形式は他社でもやっていたので、
本作がノベルゲーであることに特別な価値まではないのでしょう。
むしろ長所として特徴付けられるのが、グラフィック及び音声だと思います。

<グラフィック>


グラフィックは原画が有名な人なので、好きな人は好きなのかなと。
それに加え、目パチ口パクもありますし、
ちょっとしたアニメーションで動きます。
これだけでも一応長所としてプラスポイントになりうるのでしょうが、
もう一つ注目すべきなのがカットイン的な演出にあるのでしょう。

魔剣士KUMIKO02

『魔剣士KUMIKO』をプレイしたのは、
かなり後になってからだったのですが、正直驚きました。
今でいうカットインのような演出が画面上でなされ、
とても衝撃を受けたものです。
もちろん一般PCゲーのADVには演出も凝っていたものがありますが、
この時期のアダルトゲームで演出に力を入れているところがあるとは、
全然知らなかったんですね。
それこそ、80年代後半のアダルトゲームの話になると、
書籍の評論とかでもエルフ・アリス・キララ・ジャストの話ばかりでしょ。
それ以外のブランドの話なんて、ちっとも出てきやしない。
私はこういう作品の存在は、もっと知られても良いと思うのですけどね。
確かに全体としては難があるので、
これを名作と言い切る人は、ほとんどいないと思います。
でもグラフィック面の進化の歴史という一つの側面に関しては、
決して無碍にはできないのではないでしょうか。

<音声>


それとね、確かにジャストの『天使たちの午後』は有名です。
そしてジャストには別売でジャストサウンドがあり、
それにより合成で音声を聞くことができました。
そこまでは有名な話ですよね。

でもジャストサウンドは別売であり、作品そのものは音声付ではありません。
それに対し、このシリーズは音声が標準で付いているのです。
この時代の作品で、既に音声でしゃべるのですよ。

この時期の作品で音声を付けていたのは、
すぐに思い出せる範囲ではSYSTEM HOUSE OH!だけです。
今と比べたら非常に質の悪い音声なのでしょうが、
この時期にしゃべるアダルトゲームがあるってことが大事なのです。
ジャストサウンドなんて番外編の機器を持ち出すのであれば、
そしてアダルトゲームにおける音声の歴史も大事だと考えるのであれば、
少なくともこういう作品の名が挙がっても良いと思うのですけどね。
もちろん単に私がパッと浮かぶのがSYSTEM HOUSE OH!の作品なだけであり、
もっと古いのがあればその作品の名で構わないのですけれど。

<感想・総合>


常々、アダルトゲーム分析で最も遅れているのは、
80年代後半辺りからだと思っています。
特に86年から91年辺りですね。
もっと薄くなってもおかしくない83年から85年は結構厚いのに、
この年代になると途端に内容が薄くなるわけでして。
どれを見ても、エルフ・アリス・キララ・ジャストばかりなんですもん。
他に知らないのかよって突っ込みたくもなりますよ。
だからね、市販の本とかは、どれも役に立たないのです。
まぁ私も最初はそうだったし、仕方ないのかな・・・
しかし後で偏見は良くないと考えを改め、それでいろいろ手を出して見たら、
見過ごしそうなマイナー作にこそ注目すべきことがあるわけでして。
こういう作品も含めてもっと語られることがあれば良いなと思うのですが、
もう誰も興味がないのかな・・・
歴史に興味があるっていう人も、結局興味があるのは昔のオタク文化であって、
この時代の作品自体には興味を持つ人がいないように感じてしまいます。
これも仕方ないことなのかな・・・
まぁ、とりあえず今後も、
エロゲの歴史みたいな書籍が出ることもあるでしょう。
その中で本作の様な存在に全く触れていないのであれば、
その本は読む価値がないのだと言っても間違いではないと思います。
一つの指標みたいなものとして、
この記事の読者には覚えていて欲しいかなと思います。

総合では、確かに絵と音は突出しているのですが、
シナリオはあってないようなものですしボリュームも少ないので、
総合力というのであれば高く見ても佳作程度なのかなとも思います。
全体としては決して名作と言える出来ではないし、
それこそシナリオだけで判断する人には酷評されてしまうと思います。
でも総合では足りない部分が多く、後に語られることが少なくとも、
部分的にはどこにも負けない作品ってのもあるわけでして。
今回は絵や音の功績を最大限に評価して良作としておきます。
激甘かもしれませんが、中には1点特化型に価値を見出す人もいるでしょう。
そんな人であれば、何となく心境を理解してもらえるのかなと。
今更こんな作品に興味がある人も、
またこれを読んでいる人もどれだけいるか分からないのだけれど、
もうちょっとこういうところにも注目する人がいてもいいんじゃないかなって、
時々思ってしまうのですよ。

ランク:B(良作)

魔剣士クミコ

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こんにちは!
このゲーム喋るんですね
自分が一番に思い出すのはPC88版の不思議の壁です
これもNEW SYSTEM HOUSE OH!さんのですね
内山亜紀って方の絵が特徴的なので覚えています
実は買いましたもん(笑)
このころってパソコンが喋るなんてまだまだ
驚きがある時代でしたから
このゲームももっと有名になってもよかったかも、ですね。
記憶だけですがFM-7/8版のポートピア連続殺人事件は
裏ワザ使うとBEEP音で喋るんですけど
この裏ワザがどーしても思い出せないんですよ...

こんにちは~
不思議の壁も内山亜紀さんでしたね。
系統としては同じなのでしょう。
NEW SYSTEM HOUSE OH!なので、SYSTEM HOUSE OH!で探していた時に漏れてすぐに思い出せずにいました。
でも、何でNEWなのでしょうね?
音声の有無は私はあまり重視しませんでしたし、昔はそういう人が多かったのかな。
でも中には音声を重視する人もいるでしょうから、そういう人には知っておいて欲しいなって気もします。
FM-7/8版のポートピア連続殺人事件って、確か以前の記事でも書かれていましたよね。残念ながら私はよくわからないので力になれないのですが・・・

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