428 ~封鎖された渋谷で~

428 ~封鎖された渋谷で~

『428~封鎖された渋谷で~』は2008年にWii用として、
セガから発売されました。
販売はセガですが、開発はチュンソフトになります。

ゲームジャンル:ノベル系ADV

428

チュンソフトお得意のサウンドノベルってやつですね。
渋谷を舞台にした実写ゲーであることや、
ザッピングを駆使するゲームであることから、
『街』の後継的な作品と言えるゲームです。

まず最初に言っておきますと、基本的に良く出来ています。
近年はストーリーを読ませることに重点を置きすぎて、
ゲームシステム的にはノベルゲームのゲーム性は退化しています。
ノベルゲームのゲーム性って何ぞや?って人もいるでしょうから、
そういう人の入門用として現時点では最適なゲームの1本と言えるでしょう。

それを踏まえて、問題はその先の話なんですが…
まず、ストーリーです。
『街』は複数の主人公がいて、それぞれの話が時に絡み合いつつも、
基本的には独立していました。
他方で、本作は基本となる1つのストーリーがあって、
それを複数の人物の視点で追いかける形となります。
全てのシナリオを読ませる必然性を感じさせてくれる点で、
個人的には今回の方向性の方が好きではあります。
なので、今回は私好みになったとは言えるんですよね。
ただ、大まかな方向性が好みになったとはいえ、
じゃあこれが凄く面白いストーリーだったかと聞かれると、
話はまた別です。
普通には面白いのですが、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。
短所でもないけれど長所にもなりえない、
そんなところでしょうか。

尚、オマケシナリオは各地で酷評されていますし、
自分も面白いとは思えませんでしたが、
所詮はオマケなので評価対象外です。

次に、システムですが、KEEPOUTやJUMPと名称は変えていますが、
基本的にはザッピングさせつつそれが他方に影響を及ぼすことから、
ザッピング+マルチフラグ系のノベルゲームと言えるでしょう。
まぁ、言うなれば『街』と同じですね。
細かい説明は『街』やコラム内で書いていますので、
今回はパスします。

今の最新ハードでこれだけ遊べるノベルはそうはないという意味では、
良く出来ていると思います。
冒頭でも書きましたが、
システムに疎い人ほどぜひやってもらいたいですし。

ただ、『街』の時点で既に目新しくもなかったシステムが、
『街』から何の進歩もなく使われているわけです。
新鮮さや独自性という点では、どうしても物足りなかったですね。

それならそれで完成度が高ければ話は別です。
どのジャンルでも荒削りだけど新鮮な初期の名作と、
新鮮さはないけど完成度を高めた後期の名作がありますからね。
しかし、この観点からも、本作はイマイチでした。
よくも悪くも前回同様って感じなんですよね。
一体前作の製作から何を学んだんだか…
『街』だって問題点は幾らでもあったのに、
あれで満足しきっていたんでしょうか。
同じシステムを使うなら、
せめて完成度は高めてくれよと言いたいものです。

また、本作は実写を使用しているのですが、
基本的に静止画で音声はなしです。
動き回りしゃべり続けるADVもあるだけに、
どうしても演出面は乏しく感じてしまいましたね。
私は実写系のゲームも好きでよくプレイするのですが、
実写物とノベルゲームの相性は良くないと思います。
ADVでも実写をもっと効果的に扱えるジャンルはあるわけで、
何故にノベルで実写にこだわるのかが解せません。

そういうわけで、致命的な欠点もないし、
『街』よりアクがなくなった分だけ万人向けになり、
多くの人が普通に楽しめるとは思うのですが、
これというこのゲームだけの長所も見当たらない作品でした。
というか、このゲームを通じて何がやりたかったかが、
いまいち伝わってこなかったんですよね。
そういうわけで、総合では佳作としておきます。

ランク:C(佳作)

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