高2→将軍

高2→将軍

『高2→将軍』は2000年にPS用として、アスクから発売されました。

読み方すらも分からないような意味不明さにまず驚きましたが、
中身もそれ以上に強烈な作品でしたね。

高2→将軍

<概要>


ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
時は2000年4月。高校生が突然、戦国時代にタイムスリップ。
私立千石高等学校に通う主人公は、2年に進級したある日、
いつもの道を学校へ急ぐ道程で奇妙な感覚に襲われる。
気が付くとそこは戦国時代、
タイムスリップしたことを徐々に理解し始めた主人公は、
現代に戻ることを目指しとりあえず戦国時代で生き延びることを決意する。
(Wikiより)

<ゲームデザイン>


基本は多数に枝分かれし分岐していくゲームブック型のノベルゲームです。
ただ、序盤にちょっとだけ育成SLG的要素が加わります。

名作には、極端に分ければ2種類あるのではないでしょうか。
一つは今までにない斬新な作品。
もう一つは、既存の何かを流用しつつも大幅にグレードアップさせた作品。

ノベルゲームは大抵の場合、選択肢を選ぶことで分岐していくゲームです。
確かに最近では、もっぱらストーリー等に比重が置かれています。
ノベルゲームのゲーム部分に力を入れた作品って少ないですよね。
でも、ノベルゲームの全てがストーリー重視なわけでなく、
中にはゲーム性にこだわった作品だってあるわけでして。
その中で私が真っ先に思い浮かべるのが、この『高2→将軍』なのです。

本作はノベルゲームの1つであり、完全に斬新な作品とは言えないでしょう。
しかし、ノベルゲームのゲームとしての楽しさのエッセンスを全て注入し、
グレードアップさせた作品であり、
上の例では後者に属する作品として非常に意義があるように思われます。

『高2→将軍』のエンディング数は実に135種類。
そしてそこに至るまでの分岐の数も、当然ながら半端じゃない量です。
もちろん、単に数が多いだけでなく中身もちゃんと伴っていました。

主人公はある日突然戦国時代に飛ばされてしまいますが、
自分の選択によって画家になったり商人になったり、
場合によっては天下を取ったりしますからね。

自分の選択次第でどんどん展開が変わり、新たな人生が切り開かれていく。
選択肢を選んだ結果がすぐに分かる&効果が表れるっていうのは、
プレイしていて気持ちが良いし楽しいものですね。
加えて分岐は多いけれどチャートがある上に途中まで戻れるので、
最後まで攻略してやろうって気にもなれますし。
ゲームの規模が大きい作品ほど、こうした親切さはありがたいものです。

またこのゲームは、クリア時に石高という形で点数が出されます。
たとえ同じエンディングになったとしても、
そこに至るまでの過程によって石高が変わってくるのです。
だから、より良い点数を目指そうって再チャレンジする気も生まれます。

さらに、このゲームの序盤は簡易育成SLGなんですけどね。
ここで自分が何を専攻したかが、後のノベルパートでの選択肢に影響します。
理系だったら、科学の知識を使う選択肢が追加されるとかって感じですね。

選択肢による分岐という基本的要素のボリュームを増やしつつ、
そこに行動内容に対する点数表示や、隠し選択肢という要素も加える。
チャートによりプレイヤーにストレスを与えない配慮もされている。

ことノベルゲームのゲーム性に関しては、本当に素晴らしい作品でした。
ノベルという構造を保ちつつゲーム性にもこだわりたいって言う人には、
ぜひともこの作品はやってみてもらいたいものです。

<感想>


かようにノベルゲームのゲーム性という観点からは、
非常に高く評価できる作品だと思います。

もっとも、じゃあトータル的にも最高なのかと問われると、
う~んってなっちゃうわけでして。

というのも、このゲームは欠点も多いんですよね。
まずはグラフィック。
PS2も発売されるという2000年にあって、背景画像はSFCレベル。
ヒロインらは髪型が違うだけで、顔のパーツは皆一緒。
(まぁ、密かに好みな顔ではありましたがw)
タイトル名とパッケージの絵を見た限りでは、クソゲー臭しかしませんよ。

不安を胸に抱きつつゲームを実際に起動すると、
育成シミュレーションパートから始まります。
このパートが何ともなげやりというか、
出てくる選択肢がどれも脱力系でして。
あかん、このゲーム駄目やって想いが募るばかりです。

まぁ、この出来の悪いパート自体はかなり短いので、
すぐに楽しいノベルパートに移ります。
だから大きな支障にはならないのですけどね。

そしてその後ノベルパートに移るわけですが・・・
ストーリーがね、完全に馬鹿ゲーなんですね。
延暦寺で窮地に陥った時に理系のスキルがあると、
ダイナマイトを使って延暦寺を爆破したり、
違うルートでは戦国武将と超能力決戦になったり・・・
とにかく、ぶっとんでるんです。

このゲームは・・・そうですね~
歴史を題材にしてはいるけれど、歴史は堅苦しくって苦手ですって人や、
歴史上の人物に先入観のない年代に向いてるのかも。
後は逆に、これはこれでOKじゃんって割り切れる大人ですか。
他方で中高生くらいで歴史が好きで、
人物のイメージに拘りのある人にはキツイかもしれません。
・・って、昔の私ですねw
私もこの人物はこうとか、歴史上の人物のイメージを、
勝手に崩すなとかって思ってた時期がありましたからね。
その頃にこのゲームが発売されてたら、
もしかしたら叩いていたかもしれないですし。
今はフィクションとして割り切れるから大丈夫ですけどね。

とはいえ、こんなゲームに真っ先に手を出しそうなのは、
時間があって歴史好きな中高生でしょうから。
そこら辺のミスマッチさ加減が、
一部でのクソゲー的評価に繋がってしまう要因ともなったでしょうね。

<総合>


以上のように、このゲームには強烈な長所と短所が混在しています。
それをどう評価するかで、このゲームに対する評価も全く変わるでしょう。

昔、広島東洋カープにリック・ランスという人がいました。
アリスファンとしては名前からしてネタか?って思ったりもしますが、
この人の成績は極端でした。
39本でホームラン王を獲得した反面、打率は規定打席中最低の.218。
ホームランはトップだけど、打率はビリ。しかも、121試合で三振114個。
こういう人に対する評価も分かれますよね。
それと同じことが本作にもあてはまる気がします。

掛け値なしの傑作とは言いません。
駄目な人には駄目だろうし、
評価が分かれるから統計をとっても平均点は高くならないでしょう。
しかし、決して平凡な出来でないのは上記の通りです。
もし長所が気にいり、かつ短所が気にならないならば、
他人は知らない自分だけの心の1本にもなりうるのではないでしょうか。
本作は、そんな魅力を持ったゲームでもあるのです。

ランク:A-(名作)

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ひゃあ、これってそんなゲームだったんですかー
当時ゲーム屋で発注なんかもやってたんですが、
「これは……0本!」
みたいな感じでしたねwいや、客層も踏まえてではありますがw
高2→将軍ってタイトルも、どう読むのかわかりませんが、なかなか大胆ですよねw
うーん、延暦寺焼き打ちならぬ、ダイナマイト爆破か~w信長には喜ばれそうな傾きっぷりですな~!でもそれくらいハチャメチャな方が俺好みですw

>>マスター栄者さん
読み方は「こうにしょうぐん」で良いみたいですね。
つまりは「→」を読まないだけってことで。
0本は厳しいですねw
でも、賢明なのかもしれませんが。
細かいことはどうでもいい、日頃の鬱憤を晴らしたいな~って場合には、
このゲームのハチャメチャさは調度良いかもですね。
自分がもし戦国時代に行ったらって男なら一度は考えそうですし、
その期待にこたえてくれたってだけでもこのゲームに感謝ですよ。

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