殺しのドレス3

殺しのドレス3

『殺しのドレス3』は1992年にPC98用として、
フェアリーテールから発売されました。

フェアリーテールの代表作、殺しのドレスシリーズの3作目になります。

korosi3-01.jpg

<総論>


ゲームジャンルはコマンド選択式ADVで、
内容的には推理ものになります。

PC-88やファミコンが主だった80年代には、推理系作品が一杯ありました。
でも、90年代に入り激減。
PC-98やSFCとかの時代って、思い返してみると案外、
本格的な推理ADVって少ないのです。

それでもまだ、90年代中頃には少し増えるのですが、
90年代前半は本当に少なかったわけでして。
『殺しのドレス3』が発売されたのは、そんな時期だったのです。

本作の発売された92年には、
同じフェアリーテールから『狂った果実』も発売されています。
どちらもコマンド選択式のミステリーものではありますが、
『狂った果実』はストーリーを楽しむことが重視されてました。
これは『狂った果実』だけでなく、
他のADVにも当てはまる傾向だったかと思われます。
全体的にストーリー重視になってきて、
その代わりにゲーム性が簡素化されていったわけで、
ADVと言えどもPC-88時代とは雰囲気が異なる気がします。

従来のPC88時代のADVの雰囲気や歯応えってのがあって、
それを16色の当時の優れた技術で表現したのが、
この『殺しのドレス3』だと思うのです。

う~ん、これだとイマイチ伝わりにくいかな?
もう少し具体的に言い換えた方がわかり易いかも。
サターンで『クロス探偵物語』ってありましたよね。
あれもよく見ると、特別に新しいことはないです。
でも、サターンという次世代機の表現技術で制作したことにより、
それに推理ADVが激減していた状況とも相まって、
かえってとても新鮮に感じられましたよね。
それと同じような感覚と言えるかと思います。

PC-98時代を代表する、骨太な正統派推理ADV。
本作は、そんな位置づけだったのではないでしょうか。

ここは好みにもよりますけどね。
歯応えや、やりがいがあった分、
私は『狂った果実』よりも本作の方が好きだったんですよね。

<グラフィック>


korosi3-02.jpg

グラフィックは前作までよりも少し子供っぽくというか、
アニメ調になりました。
個人的には、断然こっちの方が好みでしたね。

また若干システムに話とも被りますが、
コマンド選択式ADVのセオリーとして、本作も主人公視点で進行します。
もっとも物語の進行に伴い、
このゲームでは犯人視点からのカットが要所要所で挿入されていました。
これがまたドラマチックな良い演出となって、
物語を盛り上げてくれたものです。

そうですね~、
案外この部分がこのゲームの一番の特徴と言えるのかも。
まさにサスペンスドラマを見ているって感じがしてきましたから。

<ゲームデザイン>


視点変更が当り前なノベルゲーと異なり、
主人公とプレイヤーの一体感が強く、
半ば前提とされたコマンド選択式時代においては、
ゲームの進行は構造的にも主人公視点という制約がありました。

だからその制約を打破するために、
後にマルチサイトなどが用いられていったわけでして。
犯人視点からのカットインが加わることは、
マルチサイトほど大袈裟なものではありません。
しかしコマンド選択式では無理なはずの他者視点を導入できると共に、
物語に緩急と緊張感をもたらすことに成功しました。
コロンブスの卵的なもので、今からすれば些細な話ですが、
当時としては十分新鮮でもあったのです。

他には、CGモードにも特徴がありました。
CGモード自体が普及しきっていない頃にあって、
本作はCGモードを用意しているだけでなく、
ちょっとした回想シーンも用意していたのです。
これも今では当たり前の要素なのですが、
当時としては先端の要素だったと言えるでしょう。

<ストーリー>


本作はシリーズの3作目になります。
とはいっても、直接のつながりはありません。
なので、前作を知らなくても何ら問題はないでしょう。

ストーリーは今はもうないけれど、
当時放送していた火曜サスペンスって雰囲気の推理ものでした。

具体的には、主人公である刑事が連続殺人事件を追っている最中に、
同一犯人と思われる新たな殺人事件が発生。
フリーライターである被害者の恋人だった槇村千尋と共に、
事件の捜査をすることになります。
そこに主人公の恋人や多数のキャラが関わり、
次第にその人間関係が露わになっていくのです。

多数のキャラが登場し、その複雑な人間関係が一つの特徴なのですが、
それにアダルトな展開が加わってますしね。
アダルトサスペンス・・・
一杯ありそうでいて、考えてみると逆に今はないですよね。
そう考えると案外新鮮な感覚でプレイできる気もします。

多くの推理ADVは探偵が主人公だったりするけど、
このゲームの主人公は警察官でした。
ここら辺もまた、ゲームでは意外と珍しいかもしれませんね。

<感想・総合>


『狂った果実』程の強烈なシーンはないでしょう。
でも捜査しているって感じはこっちの方が上だったし、
何よりも全ての項目が高水準な出来で、
トータル的には凄く満足できる作品だったと思いますよ。

ランク:A(名作)

PC-9801 3.5インチソフト 殺しのドレス3

関連するタグ PC98 /ADV /コマンド選択式 /


面影レイルバック   美少女万華鏡 -罪と罰の少女-  鬼と花妻
カテゴリ「1992」内の前後の記事





管理者にだけ表示を許可する

またkatanさんの記事読んで殺しのドレス3やりました、笑
88時代に初代の殺しのドレスが好きだったのですが
2と3はなぜかやってませんでした。
火曜サスペンス健在ですね、笑
お話のスピード感は3より1の方があるように感じました。
でも3は刑事ものとしてはかなり良作ですね。
捜査してるぞ!って思えました。
あと自分としては不必要なアダルトシーンがなかったのも
良かったです、笑
でもフラグ立てが多いのか捜査中何度もいみのない所にいったりして
もう少し減らしてもいいかと思っちゃいました。

3は絵柄とか雰囲気とかがかわったため、初代とかが好きな人の中には不評もあったようですから、楽しめたようで良かったです。
>でもフラグ立てが多いのか
フラグ立ての厳しさをはじめ、基本的には88時代のADVって雰囲気が強いんですよね。それを98の性能でやったことで、当時はこういうのが減っていたこともあり私は評価が高めになっていますが、どうしても昔のADVの悪さは否めないですね。

トラックバック http://advgamer.blog.fc2.com/tb.php/1353-df009833
| ホームへ戻る |