TIME GATE (タイムゲート)

TIME GATE (タイムゲート)

『TIME GATE (タイムゲート)』は1997年にWIN用として、
KSSから発売されたMYST系のADVです。

海外の作品の日本語版なのですが、
ややこしいことにオリジナルは『TIME LAPSE』という名前でした。

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<TIME LAPSE>


何で『TIME LAPSE』の日本語版が『TIME GATE』なのか、
よくわからないですけどね。
これじゃあ、探しにくいですよ。
っていうか、オリジナルの『TIME LAPSE』の情報に辿り着くまでに、
時間がかかってしまいましたし。

因みに、『TIME LAPSE』は1996年に発売されていまして、
翌97年に日本語化されたということですね。
ジャンルはMYST系のADVで、
この当時はMYST系のADVが多く移植されていましたから、
本作もまたその中の1本と言えるのでしょう。

<ストーリー>


ADVの中にはいわゆるMYST系と呼ばれるジャンルがあります。
いや、必ずしも定着した言い方ではないので、
MYSTみたいなゲームって言う人も多いと思いますが、
それでは語呂が悪いですしね。
かと言って、海外みたいにMYSTクローンって表現しちゃうと、
日本では「~クローン」って言い方に良い印象を持たれることが少ないので、
個人的にはあまり用いたくないです。

呼称は何であれ、大雑把にそのMYST系の特徴を挙げると、こんな感じでしょうか。
1)美麗なCGが一杯ある。
2)そのCGで描かれた独自の世界を堪能する。
3)世界を堪能する際、随所に用意された謎(パズル)を解く。

さて、この類のジャンルで優れた作品を作るにはどうしたら良いのか。
本家MYSTは全部に優れていたわけですが、
多くのMYST系は謎解き部分で優位に立てるものを作れませんでした。
そこで、専ら(1)と(2)の要素に重点が置かれていました。
つまりは、より綺麗なCGを制作して、
世界観を伝えることばかりが競われていたということですね。

もっともだからと言って、全てのMYST系がそうだったわけではありません。
極少数ではありますが、異なったアプローチを採るゲームもあるわけです。
その1つが、この『タイムゲート』でした。

本作がまず着目したのは(2)の点です。
MYST系のADVは優れた世界観を持つ作品は多かったのですが、
世界設定とストーリーは別物です。
MYST系の多くは世界観に着目するあまり、
ストーリー自体は疎かになるケースがほとんどでした。
テキストないしシナリオを廃する方向性を模索したのがMYST系なので、
文字情報が減ることは仕方ないのですけどね。
それにしたって、もう少し全体的なストーリーを練ることも可能でしょう。
しかし現実には疎かになることも多く、
従ってストーリー的には昔のADVよりも退化していたため、
時には観光パズルと揶揄されたのです。

本作もシナリオ、というかテキストに重点を置かない点は同様なのですが、
テキストがなくともストーリー性を増加させることは可能なはずです。
本作はそこで、MYST系としてのストーリーの強化を図ってきたのです。

主人公であるプレイヤーは、
行方不明の教授の後を追ってイースター島、エジプト、
マヤ、アナザジと冒険をしていきます。
そして最後には、それらがアトランティスに結びついていくというのです。
このMYST系ADVにおけるストーリーの強化という試みは、
正直なところ、完全に成功したとまでは言えないでしょう。
テキストをあまり用いない点で限界もありますし、
ストーリー性の増加はMYST系特有の自由度の高さにも影響しかねないですから。
しかし新たな方向性を模索することで、
少なくとも他のMYST系とは一線を画する仕上がりとなりました。

<ゲームデザイン>


また、本作は(3)の要素にも着目しています。
MYSTやRIVEN程の芸術的な仕掛けは作れてはいないのですが、
別のアプローチでゲーム性を高めようとしていました。
即ち、重要だと思う場面を写真に撮ることができ、
それを攻略に活かすというシステムが採られていたのです。
こうした発想は『MYST4』でも見られますが、こっちの方が8年も早いです。
加えて個別の謎解きも論理的で質が良いこともあって、
謎解きに関しては本家MYSTシリーズに次ぐくらいの位置にありました。

着眼点としては、決して奇抜なものではないでしょう。
しかし、MYST系の多くはあまりに独自の世界観構築と
CGのクオリティアップに「のみ」力を入れすぎてましたからね。
だからこそ、余計にも本作の立場が一際目立ってくるわけでして。
似たような作品が増えてきて限界が見えつつあったジャンルに、
まだまだ可能性は残されているんだよって示してくれた気がしましたね。
そういうMYST系の新たな方向性も見出したという点からも、
本作の持つ意味合いは大きかったような気がするのです。

かように他のMYST系とは毛色を異にしますからね、
当時私が信頼してよく訪れていたサイトの多くは本作を絶賛していました。
上記の点を高く評価するならば、それも分かるというものです。

<グラフィック>


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もっとも、一般的な印象としては、
それほどまでは高く評価されていないんですよね。
それは何故なのか?

一番の要因はグラフィックでしょうね。
確かに、イースター島、エジプト、マヤ、アナザジと、
それぞれにはメリハリがあって、よく設計されています。
原画というレベルでは非常に優秀なのでしょう。
しかし、致命的に画質が悪すぎるのです。
CGの画質レベル自体は、2年は前のものだったでしょう。
CG技術が飛躍的に進歩していった頃の2年ですからね、
この差は非常に大きいです。

だからどうした、画質なんて2の次だろって思う人もいるでしょう。
しかし当時のMYST系の制作者はCGのクオリティアップに力を入れていましたが、
プレイヤーもまたそれを望んでいたわけです。
そうなると、本作はどうしても地味に見えるんですよね。
本作の発売された97年はもちろんこと、
オリジナルの発売された96年の時点でも既に劣って見えます。
そうなると、何だこの古臭いのはって思う人も多かったでしょう。
だからMYST系ADV好きの中でも、あまり一般受けをしなかったのだと思います。

ここはね、正直考え方次第なのかもしれないですけどね。
例えばトークの上手いスポーツ選手っていますよね。
そういう人って人気が出やすいものですが、
あくまでも本業が出来るってのが前提にあるわけです。
本業がしっかりしていて、なおかつトークも出来るから、
支持もされるのでしょう。
MYST系は、どうしてもグラフィックの比重が高いジャンルです。
一番のメインとして注目されやすいのがグラフィックですので、
そこが弱いのに他は頑張りましたって言われても、
トークだけ出来て試合で結果の出せないスポーツ選手みたいなもので、
何かちょっと違うよなってなって感じてしまうのです。

それでもトークがお笑い芸人より上手い、
本作で言えばストーリーがノベル系より出来が良いというなら、
話は全然違ってきますけどね。
本作はストーリーも謎解きも他のMYST系よりは良いって程度なので、
強力な魅力とまでは言えないのです。

MYST系としてはやや異質であるし、謎解きも秀逸だから名作だとは思いますが、
そのわりに私の点数が伸び悩んだのはそんなところからです。

もちろん、謎解きとストーリーこそ最重要と考える人もいるでしょうし、
コアなファンは特に謎解きの出来で判断する人も多いでしょう。
そういう人には本作は高く評価されるんじゃないかと思います。

全体的な印象はギリギリ名作ラインあたりだけれど、玄人筋からは絶賛される。
『TIME GATE』は、そんな玄人向けの作品と言える気がしますね。

ランク:A-(名作)

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はじめまして。
time lapse、とても懐かしいです。まさか日本で発売されていたとは知りませんでした。
自分は海外版を子どものころにプレイしていて、大好きなソフトの一つだったのですが、ネットで検索してもほとんどヒットせず、当サイトで初めて日本語版を知りました。ありがとうございます。
ただ、あまりに情報が少なく、オークションやamazonで探しても売っていません。
どこで入手できるでしょうか?

はじめまして、コメントありがとうございます。
『TIME LAPSE』の方でプレイしたのですか。
失礼ながらかなり珍しいパターンなのかなと。
ちょっとビックリしてしまいました。
記事にあるように、日本語版はタイムゲート(TIME GATE)という名前でした。
発売元はKSSというところで、PC-98末期からwindows初期の頃、90年代半ばから後半にかけて多くのPCゲームを発売した会社でした。
もっとも今は休眠会社となっているようなので、入手は困難になっています。
今すぐ買えるところはないのかもしれません。
気長にオークションに出品されるのを待つか、後は駿河屋にときどきレア物が入荷されますので、駿河屋に入荷されるのを待つしかないように思います。英語版であれば海外のAMAZONにもあるみたいですが、国内の日本語版はどうしても難しいですね。

返信ありがとうございます。
子どものころ、父の仕事の関係でアメリカに住んでいたので海外版を先に知ることとなりました。
英語がほとんど理解できずにプレイしていたので結局イースター島の洞窟で詰んでしまったのですが、ゲームの雰囲気が好きで、帰国した後も時々思い出したようにプレイしていました。
そんな状態が何年も続き、ある日ふとイースター島をクリアできたことでやる気に火がつき、攻略サイトをyahoo翻訳しながら一ヶ月ほどでクリアだけはしました。ただ、初めてプレイした日からおよそ8年は経ってる上、英語がほとんど分からなかったので結末がよくわかりません。
今回こうして日本語版の存在を知ることができたので、もう一度プレイしようと思っています。
今までオークションでは何度も『TIMELAPSE』で検索してきましたが、今後は駿河屋でも『TIME GATE』を探してみます。タイトルがTIMELAPSEではないことが分かっただけでも入手できる率が高まりました。
貴重なアドバイスや情報をありがとうございました。

なるほど、そういう事情があったのですか。
今は海外ゲームの通販を扱うところも増えてきましたが、当時はほとんどなかったと思いますし、何で英語版?って思ったものですから。
ゼロ年代の初め頃までは秋葉原のソフマップ本館で海外ゲームやMYST系のADVも多く扱っていたのですが、数年前に訪れたらものの見事になくなってしまっていました。
仕方ないことかもしれませんが、やっぱり寂しく感じてしまったものです。
私もTIME GATEはプレイ時から15年近く経っていますし、正直なところ細かい部分は忘れてしまいました。ソフトもかなり前に手放したので、再プレイもできません。今考えると勿体無かったですけどね。
素晴らしい作品だっただけに、よぺさんが入手できることを望んでいます。

色々整理していると懐かしい日本語版のタイムゲートが有ったので、インストールして遊んでいますが、どうも難解でなかなか先に進めません。やっと洞窟から抜けて、タイムマシーンの前に来ました。
攻略のサイトが有れば教えてください。

このゲームは私にとつては、素晴らしいゲームと思います。

以前は一つだけ攻略サイトがあったのですが、何年も前ですからね。
検索で出て来ないのであれば、閉鎖されたのかもしれません。

本作のオリジナルは『TIME LAPSE』ですので、
「time lapse walkthrough」で検索すれば、
英語の攻略サイトが結構出てくるようです。

この作品は、昔私が良く見ていたサイトで、
最高評価がされていました。
日本ではマイナーかもしれませんが、良い作品でしたね。

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