御神楽少女探偵団

御神楽少女探偵団

『御神楽少女探偵団』は1998年にPS用として、
ヒューマンから発売されました。

そもそも購入動機は2つあったわけでして。
1つは高品質なムービーで、
もう1つは推理トリガーシステムに興味があったからです。

ゲームジャンル:コマンド選択式ADV
PSソフト 御神楽少女探偵団

さて、本作はいわゆる探偵もののADVなのですが、
システム面での目玉として掲げられているのが推理トリガーでした。
これは自分が怪しいと思ったところでトリガーボタンを押し、
正しければポイントが入ってくるというものです。

情報の取捨選択という点では『ミシシッピー殺人事件』に通じますが、
数値化及び可視化したことでこれはこれで独自性もあったかと思います。
もっとも、このシステムは事件の推理に使うのではなく、
解決に必要な情報集めに使われていました。
これでは自分で推理した気分にはなれないわけでして。
目の付け所は悪くなかったのに使いどころを少し間違った感じがして、
少し勿体無かったですね。

加えて、やっていることも結局は選択肢の連続があるADVと変わらず、
そこに進行度の目安として数字が加わっただけとも考えられます。
しかも必要か否かの判断だけで終わってしまいますから、
一つ一つがブツ切れでつながりに欠けているのです。
『殺意の証明』のように繋がりや組み立てによる分岐の要素が加われば、
このシステムももっと化けたと思うのですが。
発想は悪くないのですが、ちょっと作りこみが甘かったですね。

総じて、トリガー部分は期待ほどではなかったかなと。
PC-88時代のADVの中には、考えて行動して、
正しくないと減点されるADVが幾つかありました。
当時のADVが減点式なら本作は加点式という違いはありますが、
プレイヤーの行動結果を数値で評価するという試み自体は既にあったのであり、
厳密に見れば新鮮さは薄いように思います。
後発な分、もう少し練りこまれていれば良かったのですが、
完成度もそれほどでもなかったわけですし。
まぁ、一応新しいことをしようとする点は私の好むところですし、
及第点以上は十分に確保できているでしょう。
ただ、それ以上のものでもないかなって感じだったということです。

とはいえ、何の変哲もないコマンド選択式よりは遊べますし、
ちょっとしたミニゲームやオマケ要素なども充実しています。
これらを総合すれば、ゲームとしては良く出来ていた部類だったと思いますね。

次にグラフィックですが、正直キャラデザはあまり好みでありません。
しかし、家庭用ゲーム機にしては高解像度なムービーが用意されており、
見応えのある作品でしたね。
この部分は期待通りでもあり、長所と言えるでしょう。

ストーリーは全部で5話用意されています。
本作はこれ単体では完結せず、
続編である『続御神楽少女探偵団』によって完結します。
用意されている5つのストーリーですが、
5話は続編への導入なので途中で終わってしまい、
実質的にはあってないようなものでしょうね。
従って、実質的には4本のシナリオと考えて良いでしょう。

その中でも1話と2話は、ゲーム全体の導入みたいな軽めの雰囲気でした。
2話まで終わった段階では正直物足りなかったというか、
これは外したかなとも思ったのですが、3話と4話は濃密でしたね。
元々私は最近のミステリーより乱歩や横溝の小説の方が好きなのですが、
そういった雰囲気が漂ってきて、私の好みのど真ん中でした。
この手が好きな人ならば、きっと楽しめるのではないでしょうか。

システム的にもストーリー的にも、この3話と4話こそが本番って感じでしょうね。
ここにこのゲームの良さが全て凝縮されています。
入門用の話は入らないから、この類のをもっと入れて欲しかったですよ。
ゲーム全体が3話と4話のクオリティであったならば、
評価は格段に上がっていたと思います。

基本的に、どこか1点が突出していると言うよりは、
総合的にほとんどの部分が水準を上回っているタイプのゲームでした。
本作は前後編の前編という位置付けで未完ですからね、
どうしても高い評価はし辛いです。
でも3話と4話のクオリティだけでも、名作と言えるんじゃないかなって思います。
続編で完結するので、出来れば続編とセットでやるべきでしょうね。

ランク:A-(名作)

PSソフト 御神楽少女探偵団

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久しぶりです
このゲーム探偵ゲームとしては面白かったです
いいですよね

>>京さん
お久しぶりです。
穴がないというか、細部にわたって配慮が行き届いているので、探偵ゲームの良いお手本って感じがしましたね。

>自分で推理した気分にはなれない
まさにここです。
キャラや雰囲気が良かっただけに、非常に惜しい作品でした。
面白かったですが、絶賛まではいきませんでした。
そういえば、エルフから18禁化されて発売されているのですよね。
未プレイですが、少し気になっている作品ではありますね(笑)

おむれつさんというのは、旧ブログ時代のおむれつさんでよろしいのでしょうか。
このゲームは良い所も多かっただけに、余計にもこの一番目玉となるトリガーシステムの使い方が勿体無かったです。
エルフの新御神楽は、内容的にも分量的にもオマケみたいなものです。
単体だと、あえてやる必要はないでしょう。
ただ御神楽と続御神楽がくっついてきますので、その2作品を未プレイの人には非常にありがたいゲームでした。
特に続御神楽は品薄で手に入り辛かったですからね。

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