Dreamfall

Dreamfall

『Dreamfall: The Longest Journey』は2006年にWIN用として、
Funcom社から発売されました。

日本語版は発売されていませんので、
残念ながら英語版でのプレイとなります。

dreamfall04.jpg

前作である『The Longest Journey』は、
オーソドックスなP&C(ポイント&クリック)式ADVの最高傑作でした。
斬新なシステムこそあまりなかったものの、
他の全ての要素が当時の他のADVを圧倒していました。
そのシステム面にしてもこのゲームが初でないというだけで、
他で使われた有用な手法が存分に用いられることで完成度が飛躍的に増し、
P&C式ADVはこの作品をもって完成してしまった感すらありました。
個人的には、未だにTLJの形こそがADVの理想形だと思っています。
(詳しくは以前書いた記事を参照してください)

ところで、そのTLJが発売されたのは1999年のこと。
制作したのはFuncom社というノルウェーの会社なのですが、
翌年以降世界中のいろんな国の言葉に翻訳され、
既に下り坂に入っていた海外のADV市場にしては群を抜いて売れたようです。

もっともそのFuncom社自身は、それ以後ADVを作ろうとはしませんでした。
オンライン系のゲームが流行りだしたこともあってか、
次はオンラインゲームを作るって言ってたんでしたっけ。

稼ぎたいというメーカーの気持ちも分からなくはないですが、
オンラインゲームじゃ私の守備範囲外だな~と当時は思ったものです。
そういうこともあって細かく後を追い続けたわけではないのですが、
どうやらその後もいろいろあったみたいですね。
数年後TLJの続編が発売されると発表されたのですが、
それも当初はアクション・ADVって発表でしたし。
そういう二転三転した経緯もあったため、
最高傑作TLJの続編というわりには私は思いの他冷静というか、
正直それほど興味も持てなかったのです。

しかしながら、結局若干のアクション要素こそあるものの、
基本的には普通のADVとして発売されました。
そうなると当然私の守備範囲内に入ってくるわけですが、
流石にTLJの続編だけありましたね。
グラフィックもサウンドもストーリーも1級品でした。
極上のファンタジーをまた体験出来る日が来るとは思って無かっただけに、
その感動も格別でしたね。

おそらく、今世紀に入ってからのADVでは最高クラスの出来でしょう。
極上の3D・ADVを探している人には、ためらい無く本作をお勧めします。
ただ、不幸だったのは本作がTLJの続編だったってこと。
前作があまりに偉大すぎたんですね。
だからこそ余計に欠点も見えてしまうわけでして・・・

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と言うことで少し具体的な中身に入っていきますが、
Dreamfall前作であるTLJと同じくファンタジー物になるものの、
今回は3DのADVになっています。
続編ということで前作をやっていた方が楽しめるのですが、
前作は前作でストーリー自体は完結していますし、
続編と言っても今作は一部のキャラがまた出てくるという程度なので、
前作をプレイしていなくても大丈夫だと思います。

先に言っておきますと、本作は間違いなく傑作です。
全ての面が並のADVを上回っていますからね。
ただ、AAA+を付けたTLJと比べると、
やっぱりいろいろと物足りない面も出てくるわけでして。

まずストーリー面ですが、本作は3人のキャラを交互に扱います。
3人のキャラによるマルチサイトを表現することによって、
場合によっては壮大だった前作を更に上回れる可能性もありました。
しかし、もちろん今回も基本的に素晴らしい出来だし、
一部のキャラに関してはケリがついたものの、
中には尻切れトンボで終わったキャラもいました。
つまりは未完とも言えるわけで、続編の待たれる作品でもあるのです。
(ってか、早く完結編出してください…
世界中のADVファンの重大関心事のトップ3には確実に入ってくるでしょうに…)
全体的なボリュームが少し減った事もあって、並のADVよりははるかに良くても、
どうしてもTLJよりは劣ると感じてしまうのです。

次にシステム面です。
前作はCGの1枚絵を背景としたP&C式のADVでしたが、
本作は完全な3D・ADVとなりました。
パッドでのプレイが前提となり操作性面で若干の違和感もありましたが、
それ自体は感じ方に個人差もありますしまだ良いとしましょう。
問題は、前作より難易度や謎解きの質自体が落ちたんですよ。
前作は謎解き部分も極上だっただけに、普通の作品になっちゃった感じでした。
そのかわりに付加されたのがアクション部分なのかもしれませんが、
ここは単純に出来はイマイチだったかと。

一方で、グラフィックは相変わらず綺麗です。
デザインセンスはもう流石としか言いようがありません。
しかし、前作は画質面でも当時世界最高峰だったのです。
私は99年当時でTLJ以上と言い切れる作品を知らないですしね。
それにくらべると今作は確かに高レベルではあるし、
ADVとしては最高水準なのかもしれません。
しかし他のADVと明確なまでの大きな違いはないし、
それ以上にPCのRPGやFPSとかのグラフィックが大幅に進化しましたからね、
それ故に2006年のADVの中では最高と言えたとしても、
ゲーム全体における世界最高水準とまでは言えないと思います。
相対的に考えれば、やっぱり前作ほどのインパクトはないんですよね。
本作はXboxでも出ていますが、この時期ならXboxではなく、
むしろXbox360専用で作るべきだったんじゃないかと思うわけでして。
それだったらもう少し違う目も出たんじゃないかと思うと、
ちょっと勿体無くもあり残念でもありました。

それと、今回は3Dなんですよね。
例えば『MYST』よりリメイクの『realMYST』の方が好きって人も結構いますし、
ADVの3D化を求める人もそれなりにいるのでしょう。
そういう人ならば、本作の仕様は嬉しかったと思います。

ただ、ここはあくまで私の好みの問題なのですが、
3D化されるとどこか味気なく感じちゃうんですよね。
従来のCG形式ですと、1枚の絵画のように画面内に全てが映し出されます。
それ故に全体の構図のセンスの良し悪しがハッキリ表れるわけで、
センスの良いTLJなんかはそこで大きくポイントを稼げたものです。

しかし、3D化されると伝わってくるのが部分的かつ流動的になってしまい、
画面から全体的な雰囲気がかえって伝わらないような気がするわけでして。
そうなると他のゲームとの違いが1枚絵ほどには顕著に出てこないので、
長所にはなりえても大きな長所にまではなりにくい気がするんですよね。
それでも『OBLIBION』みたいに、
画質が圧倒的に良いタイプなら他との差を見せ付けられるでしょう。
でも多くのADVのようなデザインセンスで差をつけるタイプは、
本来有しているはずの良さを伝えきれないおそれがあり、
3Dにはあまり向いてない気がします。
何でもかんでも3Dにすれば良いってものではなく、
RPGとの区別の観点からもADVは従来通りで良いのではないでしょうか。
特にP&C式ADVは、システムの相性面からもそう思うんですよね。

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まぁMYSTやTLJとかで表現された絵画のような美麗な世界が3D化で再表現され、
その中を自由に動けるっていうのは、それはそれで違った喜びもあります。
そういう意味ではリメイクとしての3D化はありだと思いますし、
続編である今作も、ぉいぉいあの場面だよ懐かしいな~って、
結構感動しちゃったんですけどね。
なので今作に限っては3D化が決して悪いとは言い切れない面もあり、
何とも微妙なところでもありますね。

まぁ、いろいろ辛めに書いちゃいましたが、それもこれもTLJがあればこそです。
前作のTLJがオール10なら、本作はオール9みたいな作品でした。
他と比べれば優れてるんだけど・・・みたいなことばっかですからね。
なので、ADVの最高傑作とも言われた前作には及ばなかったものの、
それでも今世紀に入ってからのADVの中では、
やっぱり別格な存在なのではないでしょうか。
TLJとの落差から物足りなく感じた方もいるとは思いますが、
それでもここ5年くらいに発売された海外のADVで何かオススメを聞かれたら、
やっぱりこれは外せない1本じゃないかなって思いますね。

ランク:AA-(名作)

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本当に残念な作品でしたよね-。
ストーリーのレベルが高かったので、あの尻切れトンボの終わり方は本気で勘弁して欲しかった。
ガーディアンでも認識できなかった、スタークとアルカディアの異常とは何だったのか。ブライアン・ウェストハウスに何が起こったのかとか、私のお気に入りのカラス、クロウはどうなったのよとか(苦笑)。気になる伏線がいくつもあるのに……(涙)。
謎解きはへたれな私には丁度良いレベルでしたけどね(苦笑)。
アクションパートは割と微妙だったと思います。特に戦闘は当たり判定と間合いが分かりづらかったし。
まあ、何はともあれ。我々としては早く完結編出してくださいというのが一番言いたいことなんですけどね(苦笑)。

ストーリーは不満が出ても仕方ないですよね。
あれだけ待たせておいて、そこで終わるんかいみたいな。
近年のADVは途中で終わるケースも増えてきたので、個人的には今は必ずしもマイナス要素にはならないのですが、完結すべしという考えの人から叩かれても文句は言えないかなと。
2006年は『RUNAWAY2』も途中で終わっていたので、何となくもやもやした年でした。
『RUNAWAY2』の方は3が既に出ていますので、こちらの方も完結編を出して、Nackさんも挙げられたような多くの伏線を解決してもらいたいものですね。
あと、ゲーム部分は客観的な意見として書いたもので、個人的には結構一杯一杯だったりしますw
昔よりヘタレになったのと、アクションがドヘタなのでパニックになっちゃうものですからw

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