Quartett!

Quartett!

『Quartett!』は2004年にWIN用として、
Littlewitchから発売されました。

Littlewitchの代名詞とも言えたFFDシステムを存分に活かした作品でした。

ゲームジャンル:ノベル系ADV
Quartett!

FFDシステムはフローティング・フレーム・ディレクターシステムの略で、
ぶっちゃけ漫画的な演出を施したゲームでした。
このFFDをひっさげてデビューした作品が『白詰草話』だったわけですが、
その頃の私はどちらかと言うと懐疑的だったんですよね。

漫画的手法をゲームにと言っても、デジタルコミックの類は昔からありますし、
同じような発想は一般PCゲーで外人が作ってたりもします。
こういう発想自体は5年以上前にそれなりにあったわけで、
今更何を凄そうに宣伝してるのかなと思っちゃったわけです。

しかし、やっぱり続けるってことは大きいですね。
本作でもFFDが採用されているのですが、
より一層システムが洗練され演出面も強化されました。
加えて今回の舞台が音楽学校ということで、
サウンド面も非常に強化されてきました。

この音と絵の相乗効果は抜群で、
他のADVにはない独自の雰囲気を完全に作り上げたのです。
近年のアダルトゲームは序盤がだるいのが大半ですが、
久しぶりに開始直後、それこそ始めた瞬間から引き込まれたゲームでしたよ。
これはぜひ1度は体験してもらいたいものですね。
似たり寄ったりなレイアウトのゲームが氾濫する中で、
一際異彩を放っていますから。

ただ、決して問題がないわけでもありません。
こうした作りなので、
ボリュームが増えれば増えるほど労力が格段に増していきます。
そのため本作のボリュームも、他のゲームの半分くらしかありません。

ストーリーも雰囲気は良いのですが、
格別優れているってほどでもないですしね。
総合的なエンターテイメントを求めるなら満足できる可能性は高いですが、
もし長編小説を読んだときのような満足感を求めるのであれば、
本作は合わない可能性も出てくるでしょう。

そういう意味では必ずしも万人向けとは言えないのでしょうが、
それでもこういうゲームがあっても良いよなって思うわけでして。
今日はシステム的に似たようなゲームばかりになっているだけに、
こうした試み自体を評価したいものです。
負担が大きかったのか、Littlewitchも以後はFFDを使わなくなっています。
せっかく独自の魅力を持っていたのですから、
できればまた使って欲しいのですけどね。

時代が求めたのが音声とボリュームということで、
こういう形式は世の流行から外れてしまっているのかもしれません。
でも主流路線だけが全てではないわけで、
もしアダルトゲーマーでいながらこういうゲームを知らないのであれば、
やっぱり損していると思うんですよね。
プレイした上でどう評価しても一向に構わないのですが、
やるだけはやってもらいたいなと思ってしまう作品ですね。

ランク:B(良作)

Quartett!

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