DNA (ドナ)

DNA (ドナ)

『DNA (ドナ)』は1987年にPC-88用として、
HOT・Bから発売されました。
ちなみに、DNAと書いてドナと読みます。

アダルトゲーム初期のシナリオ重視系作品になりますね。

dna02.png

<概要>


ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。

ドナというのは、舞台となる星の名前です。
この星は文明は高度に発達しているものの、
階級により差別された社会であり、
具体的には住民は統治側のティーターンと、
生産階級のオークに分かれています。

オークはティーターンの生活水準をあげるために作られ、
ティーターンに従属しているのですが、
実はティーターンも神のような存在によりオークから作られた存在でして。
そしてティーターンは優秀な能力を有しつつも、
反動で生殖機能が弱くなったことから、
神のような存在により失敗作とみなされ、
惑星ごと破壊されることが決まります。

他方で、その生殖機能の問題を克服すべく実験が始めた女性がいて、
その女性の娘が追われるところから物語が始まります。

<感想>


『妖姫伝』では伝奇物にホラーとアダルト要素が付いていたわけですが、
その次の作品である本作では基本はSF物になっており、
そこにホラーとアダルト要素がついてきます。

システムはコマンド選択式のADVですが、
『妖姫伝』同様あまり作り方は上手くありません。
まぁ、いろいろ選択する楽しみがないというだけで、
同じコマンドを選択することなくサクサクすすめますからね。
そういう意味ではストレスもなくプレイしやすいし、
見方によっては今風なのでしょうけれど。

ストーリー的にも『妖姫伝』はADVでは珍しいタイプでしたが、
本作は当時たくさんあったSF物です。
そう言うと、あまり惹かれないような気がしてくるのですが、
ゲームというのはやってみないと分からないものです。

テーマ的にはSF物ではよくあるというか、
SF物の永遠のテーマ的なものがありますが、
骨太なストーリーでしっかり描いているんですよね。
この時期でこの完成度は、
アダルトゲームでは出色の出来といって良いでしょう。

システムの作り方も『妖姫伝』とは相性が最悪だと感じたのですが、
このストーリーならあまり気にもならないですしね。

<総合>


80年代中盤までのアダルトゲームというと、
ミニゲームをしつつCGを見るのが目的の作品であるとか、
ナンパゲームであるとか、そういうのが多かったと思います。
まぁ、そのイメージが強すぎるのか、それとも知らないだけなのか、
どうも80年代後半の作品にまでそういうイメージを持つ人が多いようで、
個人的には何とも遺憾なのですけどね。
そんな誤った知識では、
80年代末のアダルトゲームなんかまるで理解できていないのですよ。

とりあえず本作は、CGを見るのが目的ではありませんし、
Hシーンやゲーム部分に重点がある作品でもありません。
本作はストーリーを楽しむことが主目的であり、
今風に言うのであればシナリオゲーになるのでしょう。

アダルトゲームにおいて、
ストーリーを楽しませることに特化した作品が出てきた、
そして一般ものの良作と並ぶほどの内容を有した作品が出てきたのは、
おそらく87年からとなるのでしょう。
シナリオゲーの歴史を語るのならば、
少なくともこの時期から語らなければ駄目なのです。
そしてその当時の代表作が、本作や『殺しのドレス』となるわけですね。

本作のグラフィックはかなり人を選ぶタイプですし、
ゲーム全体として総合的に考えた場合に、
いろいろ比較すると若干及ばないかなと思いますので、
総合では良作としてあります。

もっとも、アダルトゲームにおいて、
シナリオ重視の方向性を打ち出した点には大きな意義があります。
『殺しのドレス』はその意味で名作だと思いますし、
本作も同列に考えるのであれば、名作扱いでも良いかもしれませんね。

ランク:B(良作)

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