シンデレラペルデュー

シンデレラペルデュー

『シンデレラペルデュー(CINDERELLA PERUDUE)』は、
1986年にPC-88用として、全流通から発売されました。
開発はSTUDIO ANGELになりますね。

以前、88年には既にノベルゲームはあったと書いたのですが、
それ以前の86年に発売されたノベルゲーでした。

sinderera01.png

<概要>


ジャンルは後述するように、ノベル系のADVになります。

ストーリー的には、一応ナンパゲーになるんですかね。

<ゲームデザイン>


ゲームはテキストを読んで、出てくる選択肢を選ぶ。
それによってその後が変化するので、
つまりは今のノベルゲームの元祖になります。

もしかしたら、これより先にもあるかもしれないけれど、
全流通の作品の中ではこれが1番最初のはずですし、
とりあえず今思い出せるのはこれが最初ですかね。
まぁ、いずれにしても86年には、この手のゲームがあったってことですね。

ノベル形式ということでストレス無く進んで行きますし、
コマンド選択式のように同じコマンドを繰り返す必要はありません。
最近の人はコマンド選択が苦手みたいですので、
昔のその当時の名作と言われているゲームは楽しめない可能性が高いです。
しかし逆に、当時あまり評価されていなかった本作のような作品の方が、
逆にとっつき易いかもしれませんね。

じゃあ、そんなストレス無く楽しめるなら、
もっと人気があるはずなんじゃと思いそうなものですが、
そこが全流通クオリティってところなのでしょう。

あ、全流通をあまり知らない人向けに補足しますと、
2000年前後に凄いペースでクソゲーを乱発していたハイパースペースの、
80年代版みたいな感じでしょうか。
基本的に中身のない金返せレベルのゲームが多いです。
ただ、だからと言って決して馬鹿に出来ないのが、
要所要所で斬新な部分が含まれていたり、そういう試みがなされていたり、
一瞬だけでしたがとても輝いた時期・作品もあったりで、
中には私も名作認定しているゲームがあります。
完成度だけを求める人には向かないブランドでしたが、
独自性を求める人には相性の良いブランドでもありました。
目の付け所が面白いので何だかんだで気になってしまうし、
その個性の強さから、実は結構好きなブランドでもありました。

で、本題に戻るわけですが、
サクサク進むのは良いことなのかもしれませんが、
如何せん絶対的なボリュームが全然なかったので、
すぐに終わっちゃったんですよ。
だから分岐も大したことがなくて、全部試すのも簡単です。

個人的な印象ですが、もともと当時の人は、
ノベルゲームを特別なものと意識していなかったように思います。
余談だけど、80年代のPCゲームはほとんどやってます~、
ノベルゲーは弟切草が最初で~なんて言う人は、
人から言われなければ気付けない、全く見る目のない人にしか思えず、
私は信用できません。
そうではないとしても、
つまり純粋なコマンド選択式と異なる形式の存在として認識していたとしても、
ゲームブックもどきであるとか、コマンド選択式の亜種って感じで、
ノベルゲーを新たなジャンルとして位置付ける必要性を感じていないのです。
例えば、コマンド選択式を総当りと揶揄する人もいますし、
総当たりからの解放をノベルゲーの特徴と考える人もいるでしょう。
しかし今のノベルゲームだって、フルコンプリート必須で、
結局選択肢を総当りしなければならないのが多いですしね。
総当りって意味じゃあ、どっちもどっちってところでしょう。
コマンド選択式だって、特に80年代の方が総当たり不要な物も多く、
それだけではノベルゲーを独自に位置付ける必要性はないのです。
また、ノベルゲーは分岐を伴うケースも多いのですが、
コマンド選択式だってマルチストーリー・マルチエンディングはありますし、
この点もノベルゲーを別扱いする理由にはならないのです。

だからセールス文句として「なんちゃらノベル」と言われるまでは、
独自の表現で説明する必要もなかったのでしょうね。
いずれにしても、後になんちゃらノベルみたいに名付けられて、
それで特別な意味あいを持たせようとする人が増えましたが、
あえて名付けられてなかっただけであり、
ノベルゲーの構造を有した作品は昔からあることはあったわけですね。

とは言うものの、やっぱり本作は中身がなさすぎな気もするんですよね。
形式に当てはめればノベルゲームと言うより他はないものの、
ここまでスカスカなものをジャンルの始祖と言えるのか。
育成SLGにおける『ぶりんぐあっぷ』『プリメ』と同じ問題が、
ここでも当てはまるわけです。
個人的にはちょっとこれはさすがに無理だろと思うわけで、
他方で同じ全流通でも88年の作品になると結構複雑になったり、
攻略を見ないとクリアが難しいって場合も出てきますので、
ノベルゲーと言うためには88年の作品まで待てって思うんですけどね。
まぁ、その辺は価値観次第なので、
本作の時点でノベルゲーが確立したと言う人がいても、
個人的にはありなんだと思いますけれど。

<ストーリー>


他方で、ノベルゲームの存在意義みたいなものとしては、
ゲームよりストーリーを楽しもうってものがあると思います。
本作のストーリーは女の子目当てでパソコン通信に入って、
そこで送られてきた暗号を解くという目的でしたが、
結局ふらふらさまよってナンパしてHしてってことばかりで、
ストーリーなんてあってないようなものでした。

ストーリーの印象が薄く、かつすぐに終わるものだから、
本作の存在自体、すっかり記憶から抜け落ちていたわけですね。
つまり、この観点からも本作はイマイチで、
ストーリー・シナリオ重視構造の観点からのノベルゲーとの説明も、
やっぱり88年の艶談シリーズか、
或いはシステムサコムのノベルウェアまで待てって思っちゃうんですよね。

<総合>


ゲームに対する価値観・求める物というのは、時代によって異なります。
当時はコマンドを何度も試すことに抵抗の少ない人が多かったです。
本作と同じ86年のADVで私が高く評価した中に、『殺人倶楽部』があります。
これを名作だって言う古参の人も、かなりいるかと思います。
しかし、それこそリバーヒルの推理ゲームなんて、
もう何度も何度も同じことを繰り返させられたわけで、
たぶん今の人がやっても苦痛にしか感じないでしょう。
でも、当時はあまり抵抗がないどころか、それすら楽しんでたものだから、
ストーリーの良さの方を優先させて名作と言う人が多かったんでしょうね。
まぁ、私もその1人なわけですけど。
つまり、手間がかかるのもゲームのうち、楽しみのうちと、
そう割り切っていたわけです。
それこそ入力式の時代なんて、ストーリーは2の次で、
途中の試行錯誤こそが本質だと思っていましたしね。
考えようによっては、ADVとノベルは似てるようだけど、
目的と手段が逆なんですよね。
だから逆にすんなり進むノベルゲームを出されても、
あまりゲームをやった気がしないわけでして。
加えて、すぐ終わるしストーリーもいまいちだから、
どうにも損した気になってしまうわけです。
当時はゲームブックも多かったですし、
これならゲームブックでもやってた方がましって思ったんですよね。

だから個人的には全然楽しんだ印象はないですし、
同様に感じた人も多かったからか、本作はマイナーなのでしょう。
でも、これまでにノベルゲーの説明をあちこちで見たけれど、
たぶん、ほとんどの場合に本作が含まれてしてしまうのですよ。
だからノベルゲーの歴史を語るのであれば、
最低でも本作に対し一言は触れるべきだろうと言えますし、
その意味で資料的価値は高い作品なんだと思いますね。

ランク:C(佳作)

PC-8801ソフト シンデレラペルデュー

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